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再生可能エネルギーの発電振興 輸入電力の代替、国の発展への期待も高い (前編)


2017-07-17 18:37:12
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 モンゴル国は、独立以来、これまで約13基の水力発電所を建てた。現在は、そのうち、出力が11MWと12MWのタイシル水力発電所とドゥルグン水力発電所ぐらいが稼働中だ。これらは、モンゴル最大の水力発電所となり、発電された電力をモンゴル西部60郡に供給する。だが、国内消費電力は1000MWと推計される中で、水力による発電は消費電力における割合が極めて限定的だ。
 人口は少ないが、その反面、広い国土を有するモンゴルは、他国と比べると、電力の大量消費国とは言えないが、年々増える傾向にある。一説によると、国内消費電力は2030年代までに5000MWに達するという推計がある。国内発電電力に占める石炭のシェアも 93%と極めて高い。また、発電に大量の取水が必要とされている。残念ながら、消費電力を国内発電で賄いきれないのも事実で、ロシアから約4000万米㌦分の電力を購入している。こうした電力の外国への依存は、モンゴルを戦略上、窮地に立たせることにもなっている。
 モンゴルでの水力による発電の試みは、前世紀の後期からだ。1950年代末期から、当時のソ連学者らの助言の下に研究調査が進められ、ソ連とモンゴルの共同研究チームは1976年にセレンゲ県ツァガーンノ-ル郡でセレンゲ河におけるスレン水力発電所建設にむけて事業竣工を始めたが、開発事業が進んでいない。
 ボルガン県ホタグ・ウンドゥル郡のエギ・セレンゲ流域でのエギーン・ゴル水力発電所事業化調査は1991~94年にかけて完成したが、国内政治情勢によって本事業は2014年の中国の借款協定を待たなければならなかった。エギーン・ゴル水力発電所は、フル稼働時、最大出力が約500MWだ。今、モンゴル最大といわれる第4発電所でも最大出力が700MWぐらいだ。ただし、ここでいう最大出力とは、発電所がフルに稼動する際だけに出る力だ。実際は、火力発電所がフル稼働になることは稀だ。
 モンゴル消費電力は年々7~8%増の傾向だが、電力不足は年間平均10%に留まる。その補充のために、外国の発電に頼るわけだ。この解決策として注目を集めたのは、再生可能エネルギーによる発電事業である。その中で、国が追求する再生可能エネルギーの活用構想もできた。2020年までは、中部電力網の約2割を再生可能エネルギーを基にすることで、10年後には3割に引き上げることだ。現在、国内消費電力の3.4%を太陽光や風力、水力といった再生可能エネルギーによる発電で占める。風力発電所として最大級は、出力50MWのサルヒト風力発電所だ。一方で、太陽光発電所、最大は10MWのダルハン太陽光発電所を挙げられる。エギーン・ゴルやスレン水力発電事業は、モンゴル最大級となるが、ロシアのバイカル湖から流れるアンガル河で建設された4つのダムは、最大出力が3800~4200MWの巨大な発電所となる。これに対して、モンゴルが実施しようとしている案件は、その10~20分の1だけに留まる小規模のものだ。
 セレンゲ河はその流水の4割近くがモンゴルの中を流れるが、ほとんどがロシアのバイカル湖に注ぐ。セレンゲ河の上流に建てられる2基の水力発電所建設は、一方がバイカル湖生態系の破壊を恐れるロシア国民と、片方が国益を優先しようとするモンゴルの関係者らの対立の場となっている。