知ってほしい!日本人抑留者が苦役した石切り場跡    今では、ごみ捨て場から子ども遊園地へ

特集
naranchimeg@montsame.mn
2018-10-23 09:48:05

「ノゴーン ノール」(緑の湖の意)という名の子ども遊園地をご存じだろうか?チンゲルティ区12ホローのデンジンミャンガというゲル地区の丘にあって、春から夏は美しい花が咲き、池では子どもたちがボートをこいではしゃぐ歓声が聞こえる。秋には木々が黄葉し、冬には池がスケートリンクに姿を変える。そんなに広くはないがカモ鳥も泳ぐ、手造りの愛情あふれる遊園地だ。

 この遊園地を、私財を投じて作ったモンゴル人がいる。C .ウルジートグトフさん(41歳)だ。韓国へ出稼ぎに行って得た貴重な大枚をつぎ込んで遊園地を造った背景には、社会に貢献したい、貧しいゲル地区の子どもたちを支援したいという思いがあった。「この地域の子らが、遊べる場、そして教育の場にもなればいい」、そう心に決め、父親の協力も得て情熱を注いだ。

「実は、この場所は日本人の抑留者が苦役した“石切り場”だったのです。彼らが切り取った石材はスフバートル広場に砂利として敷かれたり、オペラ劇場や政府庁舎の建材として使われたりしたのです」。なるほど、巨石の崖の一部が今もその名残を留めている。

 2009年、ウルジーさんがここへ来た時はゲルも少なく、石切り場跡は周辺住民のゴミ捨て場と化していた。学生やボランティアの人たちの手を借りてゴミを収集、処理した後に、次第に水が上がって来た。これが水深1.5mの今の池になった。数年をかけて木を育て、現在は18種類400本の木々がそれぞれの季節を彩っている。また、池に併設する建物には教室を備えた。無職の母親が手に職を持つよう縫製の指導をしたり、子どもの学習の場に使用したりしている。

「過去の石切り場の面影を残すこの地には、日本人抑留者が苦役した戦争の記憶が刻まれている。こうした歴史も伝えていきたい」と、ウルジーさん。来年はノモンハン事件80周年を迎えるに合わせて、来年の5月か9月に日本風公園を作りたいと言う。「若い人たちに、心から願えば何でも出来ると伝えたい。公園作りには日本の皆さん、ぜひ協力してほしい」と訴える。丘に上がって下界を眺めれば、「これぞモンゴル」というゲル地区独特の風景が広がって見える。街の中心部からはバスで約20分。秋晴れの半日、先人の残した歴史跡を見に、「ノゴーン ノール」遊園地へ、さあ!行ってみませんか。