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皮革加工産業部門が必要とする空間


2017-05-02 09:55:31
画像  モンゴル国は、2016年度の全国家畜総推移が約6152万頭という暫定数を公表した。また、国連食糧農業機関も家畜総数指標で、モンゴルは家畜頭数では世界有数国の一つであり、人口一人当たりの家畜数でも世界トップの国だとの報告を出している。同報告には、モンゴルは約827万9000頭の家畜を消費し、その分の皮革が生産可能だとのことに言及し、そのランクは世界37位だ。これぐらいの皮革輸出となると、約320万米㌦の収益が可能だというが、皮革輸出国としてモンゴルの知名度は未だ低い。
 全国的には、家畜の総数は年々増える一方だが、その副産物での外貨獲得は依然として厳しいものだ。なぜなら、これは90年代の中央計画経済から市場経済への転換と国営企業の民営化に伴う皮革加工産業の基盤が無に匹敵するほど弱まったことに帰するからだ。中央計画経済の時代は、家畜は国有財産であり、その管理も国が行うものであった。当時、約2500万頭の家畜があって、平均家畜出産数は年に約800万頭ぐらいだった。旧ソ連に対して約200万頭を生体輸出し、全国的に生産される皮革は約500万枚だったという。加工など施された皮革を旧ソ連圏の諸国へ輸出していた。加工工場から処理済みのヒツジやヤギ皮が「シェヴェロ」社と「シェヴェレト」社に出荷されて生産品に生まれ変わって、輸出主流品として外国へ行き渡っていた。モンゴルの皮革加工産業部門は、加工工場から研究センターまで構成されており、工業コンビナート創設の1934年から初の皮革加工工場が開業した1980年の間に労働者が社会の一部を占めるほど進まじい成長を遂げた。
 この皮革加工工場とは、現のミシェール・エキスポ商業施設のことだ。モンゴルはこのように工場を商業施設に変え、皮革に関しても生産国から消費国と変わってしまった。モンゴルは国土の広い割に人口密度が少なく、その産業構成が国内原材料資源を元にしたものである。例えば、原材料の買取業務を行う取引窓口が全国各郡に設置されていた。そこから加工工場まで流通綱があった。時代の変化で、こうした流通綱が破壊されてしまった結果、国は軽く見積もって年間約320万米㌦分の外貨獲得の機会を失っている。
 市場経済への移行から約27年の歳月が経っているが、全国的に活用できる原材料資源の流通綱が未だに未整備である。そのため、皮革などといった原材料資源の加工産業部門において大きな空洞が生じてしまった。この空洞を埋めない限り、遊牧民の生活水準の底上げは難しいだろう。
本社解説者: G.エルデネバト

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