モンゴルのウブリーン・ウブゲン
特集
モンゴルの現代文化の形成は、遊牧文化に加えて、外国文化からも影響を受けてきた。この実例は西欧のサンタクロースに似ていて、モンゴルのウブリーン・ウブゲン(ジェド・マロースの直訳)である。モンゴルのウブリーン・ウブゲンはトルコ民族のジェド・マロースと似ており、白いデールや絹の赤い房を付けた帽子をかぶり、口承文芸を取り入れた新年の祝福を述べ回る特徴を持つ。モンゴルでは1957年にウブリーン・ウブゲンの文化を導入し、G.ゴンボスレン国家功労俳優は約50年間、モンゴルの ウブリーン・ウブゲンの役目を果たし、子どもたちへプ レゼントを配ってきた。 新年を迎えるお祭りの際、ツァサンオヒド(ジェド・マロ ースの孫娘)を連れて来て、 本年度の優秀な人々に新年プレゼントをあげるこの文化はモンゴル新年のお祝いに不可欠である。
しかし、一体いつ頃からウブリーン・ウブゲンアーブがモンゴルで出来たのだろうか。これに関するスートリーを語ろう。キリスト教の国々ではウブリーン・ウブゲンの呼び方がそれぞれ違う。例えば:英国でサンタ・クラウス、オランダではシンタークラウス、フランスではペール・ノエル、ポーランド、チェコ共和国、スロバキア、ハンガリー、ルーマニアなど東ヨーロ ッパの国々では「ジェド・マ ロース」と呼ぶ。「ジェド・マロース」 はロシアの民話の登場人物で、1870年代にロシア国民の新年のシンボルとな った。スロベニア人民は初めて紀元前15世紀から、ユリウス暦通り、毎年3月1日を新年日として祝してきたが、1348年からモスクワでは9月1日を新年日とした。さらに、18世紀にヨーロッパ全体でユリウス暦をグレゴリオ暦に切り替え、1919年からグレゴリオ暦通り、新年を迎えている。これにより、旧ソ連を構成する各共和国は宗教的背景に関係なく、それぞれの民族の文化、習慣、宗教の特徴を反映した「ジェド・マロース」を持つようになった。我が国でも旧ソ連の影響により、モンゴル国民の特徴を持つ「モンゴルウブリーン・ウブゲン」が出来た。
モンゴルで新年をどう過ごすか?
モンゴルで新年を祝う行事は年末から年始にかけて行われ、多くの華やかなパーティーが開かれ、友達や職場の仲間同士、夜中まで歌って踊って盛り上がる。
31日には、家族がレストランや各家庭で、ツリーが飾られた部屋の中で シャンパンを抜き、ケーキを食べ、楽しく新年を迎える。また、12月31日、毎年慣例の「ウランバー
トルの銀夜」コンサートがスフバートル広場で開催れ、花火を
打ち上げ、大勢の参加者が鑑賞しながら、シャンパンを開け、新年を迎える。今年、新型コロナウイルス感染拡大の影響で大勢の人々が集まるイベントは中止となっているため、「ウランバートルの銀夜」コンサートなどは行われないで、家族ぐるみで新年を祝う。