エルデネボルド:モンゴルのゴビ砂漠は世界の宇宙科学の中心地になる

社会
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2024-03-26 21:23:31

(ウランバートル市、2024年3月26日、国営モンツァメ通信社)モンゴルのゴビ砂漠に火星研究基地を設立し、モンゴルの宇宙科学を新たなレベルに発展させ、同種の観光をブランド化することを目指す「MARS-V」プロジェクトの発案者であるS.エルデネボルド氏に話を聞いた。同氏は、2019年に同プロジェクトを開始し、短期間で世界の主要な宇宙研究機関と連携を築き、モンゴルが宇宙研究の中心地になり得ることを科学的に証明した。


ーー調査は、何から始めましたか。

まず、モンゴルのゴビ砂漠の特徴を調査した。地球上にある24の大砂漠のうち、13が暑く、7が寒い砂漠である。しかし、モンゴルのゴビ砂漠の気温は、最も快適であった。-40~+40度の間に変化し、標高が高く、人口密度が低く、気温の差が激しく、乾燥している。すべての火星実験場の指標は、モンゴルのゴビ砂漠レベルに達していない。従い、2018年の11月から一貫性のある調査を実施し、12月から火星研究者らとの関係を開始した。また、ゴビの土壌、塵、嵐、植物などを研究する多くの学者と面会した結果、火星プロジェクトはモンゴルで実施されるべきという信念を得た。


ーーそれですぐに「MARS-V」プロジェクトの実施を開始しましたか。 

2019年2月1日、モンゴル宇宙研究開発センター(MARSA)を設立し、「MARS-V」プロジェクト実施を開始した。「V」文字は、「Vision」またはビジョン、「Victory」または勝利、そして第五次産業革命を表している。宇宙革命を象徴する同プロジェクトを国際的に発表した。モンゴルのゴビ砂漠から採取したサンプルは、まず日本の千葉工業大学と東京大学に分析に送り、同国の学者らをモンゴルに招待し、調査を開始した。 


ーー同プロジェクト計画は、まず日本の学者らによって実現可能と認められたと聴きましたが...

そうである。日本側は、「モンゴルのゴビ砂漠は、火星アナログセンターまたは火星へ飛行したい人々の訓練センターの設立に最も適する」と認め、モンゴルは有望な場所であると述べた。シミュレーションを通じて得た火星の土壌サンプルも私たちに提供してくれた。モンゴルのゴビ砂漠は、気候が厳しく、過熱と過冷却など特別な自然状況が火星へ飛行したい人々用の訓練センター設立に適合する。人々の身体的かつ精神的な訓練と教育に最適な場所であるという最初の結論を日本側が出してくれた。その後、アラブ首長国連邦にプロジェクトを紹介し、すぐに支持を得た。2019年7月16~22日、米国で、アポロの月面着陸と人間の初の月面着陸の50周年記念の際、ボブ・カバナ・ケネディ宇宙センター長など世界で影響力のある人々に面会し、協力を得た。その後、ドナルド・トランプ米国大統領および米国航空宇宙局(NASA)にプロジェクトを紹介した。 


ーー米国航空宇宙局は、プロジェクトについて知った後、公式電子メールアドレスを通じ良いニュースを広めましたね。 

それはその通り。多くの可能性を開いた良いニュースであった。米国航空宇宙局は、同局の公式ツイッターアカウントを通じ、「モンゴルのゴビ砂漠は、火星アナログセンター建設に理想的な場所である」という情報を発信した。間もなく、ウラジーミル・プーチン・ロシア大統領、アレクサンダー・セルゲーエフ・ロシア科学アカデミー総裁、安倍晋三日本総理大臣、ナレンドラ・モディ・インド首相、インド宇宙研究機関にプロジェクトを紹介した。このように、短期間で多くの国家元首、政治家、科学団体に同プロジェクトを紹介する機会を得た。私たちは、2019年の11月に米国航空宇宙局所属の火星探査計画分析グループ(MEPAG)と国際火星探査作業グループ(IMEWG)という2つの大探査機関に加盟した。プロジェクト発案以降、1 年も経たないうちに、米国航空宇宙局、日本宇宙航空研究開発機構(JAXA)、欧州宇宙機関(ESA)、また、東南アジア、オーストラリア、ニュージーランドなどの多数の宇宙機関が同プロジェクトの内容を全面的に支持した。 

 

ーーモンゴル人が世界の宇宙科学に参加することは本当に誇らしいことです。

参加するというよりもメインプレイヤーになると言えるだろう。2023年に、国際火星探査作業グループの宣言書に同宇宙研究開発センターは署名した。将来の火星探査で最も優先度が高い22か国の一つにモンゴルが選出されたことは大成功である。これは、モンゴルが、将来の宇宙科学におけるメインプレーヤー、共同創造者、そして受益者の一つとなったことを証明している。現時点で、アジア諸国から日本とモンゴルのみがこの優先度を得ることが出来た。