北京と経済、貿易、科学、交通渋滞の緩和分野で協力へ
社会
(ウランバートル市、2025年7月29日、国営モンツァメ通信社)Kh.ニャムバータル・ウランバートル市長兼首都知事は、中国の首都・北京市を訪問し、北京市の殷勇市長と会談を行った。
ニャムバータル市長は、友好関係を築いている都市との交流訪問を北京市から開始し、今回の会談では、経済、貿易、科学、そして道路交通渋滞の緩和といった分野で協力していくことで意見を交わした。
市長は、中国の優遇融資および無償援助の枠組みにより、ウランバートル市内で道路、橋、地下通路、学校、幼稚園といった大規模な開発事業が成功裏に進められていることに言及し、感謝の意を表した。
殷勇市長は、Kh.ニャムバータル・ウランバートル市長兼首都知事の訪問に感謝の意を示し、北京市で進行中の複数のプロジェクトや施策について紹介した。
殷勇市長は、「北京では豪雨の影響で一部の橋を一時的に閉鎖する事態となった。過去2日間にわたり、関係機関の職員が休むことなく対応にあたっている。現在、北京市内の自動車台数は700万台を超えており、依然として交通渋滞の完全な解消には至っていない。特にピーク時間帯の渋滞は深刻である。また、大気汚染の約50%は自動車から排出される汚染物質によるものである。このため、公共交通計画の見直しを進めており、渋滞緩和に向けて道路インフラの整備・拡充、監視カメラシステムの高度化、交通分野へのAI技術の導入を開始している。さらに、周辺に衛星都市を建設しており、これまでに3万人の公務員を移転させている。現在、新たな開発エリアの整備を進めるとともに、国有企業の拠点をそこに集約する取り組みも進めている。交通渋滞を根本的に解決する最も有効な手段は、衛星都市の整備であるとし、北京市では同プロジェクトを2014年から本格的に進めている」と言及した。
Kh.ニャムバータル・ウランバートル市長兼首都知事は、「モンゴル政府は2025年を「首都インフラ整備支援の年」と定め、2025年から2028年にかけて24件のメガプロジェクトを実施する。これらのプロジェクトは、道路渋滞や大気汚染、インフラ整備、さらには社会経済の発展を目指した大規模な開発を含んでいる。たとえば、「20分の都市」というコンセプトのもと、新たな都市・セルベ市の開発を進めており、第一段階として4000戸以上の集合住宅の建設に着手している。また、交通渋滞を緩和するため、地下鉄、路面電車、BRT(バス高速輸送システム)、さらには二層式道路の建設に向けた準備も進めている。ウランバートル市と北京市は2014年に姉妹都市関係を結んでおり、今後さらに協力関係を強化していきたいと考えている」と述べた。
双方は、水害の予防対策における協力体制の強化が極めて重要であることを強調した。この一環として、北京市の水利分野の技術者や専門家がウランバートルを訪問し、排水管や配管ネットワーク、洪水防止の堤防といったインフラ整備に関する調査を実施する。
さらに、今回の会談でウランバートル市の貿易代表事務所を北京市に設置することで合意し、あらゆるレベルでの協力関係を一層強化することで一致した。