モンゴル人の課題を描いた映画、アカデミー賞に選出
カルチャー
(ウランバートル市、2025年10月13日、国営モンツァメ通信社)オーストラリア、モンゴル、ドイツの共同制作ドキュメンタリー映画『The Wolves Always Come at Night』が、2026年のアカデミー賞国際長編映画部門において、オーストラリア代表作品に選出された。
同部門のオーストラリア代表候補16作品の中で、ガブリエル・ブレイディ監督の本作が代表作品に決定された。作品は、現代の遊牧民のモンゴル人が直面する課題や困難を、登場人物たちの実生活を通して描いている。
本作はオーストラリアの制作会社 Overhere、ドイツの Chromosom Films、モンゴルのグル・メディアによる共同制作で、完成までに5年を要した。撮影はモンゴル国内で行われ、モンゴル、オーストラリア、ドイツ、アメリカ、コロンビア、イギリスなど各国の映画制作者が参加した。
物語は、気候変動や過酷な自然条件の影響を受け、遊牧生活を離れて首都ウランバートルへ移住したバヤンホンゴル県ボーツァガーン郡出身の夫婦、ダグワスレン・ダワースレンさんとダシゼベグ・オトゴンザヤさんを中心に展開した。彼らの生活の変化を通して、モンゴル社会における遊牧から定住への移行と、その過程で生じる社会的課題を浮き彫りにしている。
同作は2024年のウランバートル国際映画祭で初上映された後、トロント国際映画祭に正式出品された。ルーマニアで開催されたアルプス映画祭でグランプリを受賞した。さらにシドニー映画祭や香港の「ヨーロッパ・アジア・ドキュメンタリー映画祭」など、数多くの国際映画祭に招待された。
直近は、中国・福州市で開かれた第12回国際映画祭において「最優秀ドキュメンタリー賞」を受賞し、ゴールデン・シルクロード賞に輝いた。