「母なる海」フブスグル湖 世界遺産を目指す

社会
manduhai@montsame.gov.mn
2019-07-18 15:51:59

 モンゴルの最大淡水湖のフブスグル湖に関して、国連教育科学文化機関(UNESCO)の自然遺産登録に向けた周知活動の一環

で、国際エコ・カルチャー運動「ダライ・エージ(母なる海)」は、今月10日からウランバートル市からフブスグル県に向けて

出発した。

 参加者は、アメリカ、イギリス、フランス、オーストラリア、インドネシア、ネパール、パキスタンなど8カ国の25人代表でレンジャーや環境活動家、学者、市民団体、芸能人、法曹である。彼らはウランバートル市から出発し、オルホン県やボルガン県を経由してフブスグル県入りを経て、目的地のハタガル郡に辿り着く。途中、各地で芸術公演や学術会議を開催しながら、地元人との交流を深めた。

 10日、オルホン県ナーダム祭で、弓術と競馬競技を観賞。その上で、ナーダム・フェスタを開催。11日、フブスグル県ムルン

郡入りを果たし、芸術コンサートが開かれた。エコ・カルチャー運動団は12日に目的地のハタガル郡に着き、12日~13日に「母

なる海」国際アートプロジェクトをスタートさせた。

 一連イベントのクライマックスは、14日に開かれたフブスグル湖の遊覧船スフバートル号での船上イベントであった。運動団

は地元住民と共に、同湖保護・保全に関する行動・意識改革を人々に呼び掛けた。フブスグル湖は、モンゴル最大湖の一つで、

国内淡水量の7割を占める。

 かつてモンゴル人に「母なる海」として敬愛されていたが、ここ数年で同湖を巡り公害問題も浮上した。同湖からわずか100

㎞の距離に鉱山開発が進まれているほか、鉄道敷設事業や相次ぐ自動車の沈没事故などが公害原因となっている。現在、沈んだ

自動車はおよそ30~40台あると推計。同運動の企画者らも「同湖に関してUNESCO世界遺産登録を済ませ、なるべく早く保護・保全の対象にしたい」とその狙いを語った。