ドゥルグーン氏:障壁を取り除き、経済自由区の開発ができる
経済
7月9~10日に開催された「モンゴル経済フォーラム2023」の「貿易機会と経済自由区」セッションをモデレートした政府「新復興戦略」実施促進(アクセレレーター)センターのB.ドゥルグーン・センター長にインタビューし、経済自由区の開発における環境整備、他国の経験を踏まえ、モンゴルの経済自由区開発の機会と課題について尋ねた。
――世界経済の競争が激化する中、モンゴルの経済自由区の開発と貿易機会を増やすには多大な努力が必要であろう。モンゴル経済フォーラムで重要トピックであった「貿易機会と経済自由区」セッションの参加者はどのような意見を述べましたか?
経済自由区の開発を進めるには、まず投資家の関心を集めることが重要である。投資家にとって魅力的な環境とは、法的整備面の要素だけでなく、インフラや政策支援など多岐にわたる。例えば、アラブ首長国連邦には70以上の経済特区があり、そのうち40以上が経済自由区として開発されている。これらの特区は独自のコントロールを持ちつつも協力して運営され、企業が投資を呼び込み、サービスを導入し、競争を行う環境として整えられている。また、効率性を高める責任システムも導入されている。私たちは、このような原則がモンゴルにおいても適用できると考えている。
――経済自由区の開発する上で、地方振興や雇用増加、輸出向け生産支援など、課題は多いのではないですか?
モンゴルでは、「新復興戦略」の枠組みで経済自由区開発に関する幅広い研究が行われている。各地域にそれぞれの利点はあるが、まだ自由区として設定しにくい地域も多い。最初に直面する課題はインフラ整備であり、人・金・物の流れの確保が必要である。課題を解決し、障壁を取り除いた時に経済自由区の開発ができる。国内を通過する貨物輸送の限られた拠点における自由区開発に取り組んでいる。例えば、ドルノゴビ県とセレンゲ県に貿易や経済自由区を設定すれば、将来性があると見ている。今後は、国境検問所の復興においてスフバートル県やホブド県に経済自由区を開発し、拡大する事ができる。
――モンゴルの経済自由区の開発において最も重要な課題がインフラ整備であると指摘しましたが、経済自由区は何のために開発が必要と視ていますか?
モンゴル政府が新復興戦略を打ち出すために行った調査から見ると、やはり国の発展と経済成長を遅らせる大きな要因の一つにインフラ整備の不足がある。エネルギーや交通、物流、産業がそれに伴い遅れる。しかし、これも経済自由区の開発が必要となる一理由である。国で解決できないものは、経済自由区内で解決できるからである。インフラ整備もこれに当たるのと、UAEや韓国のように、他の国々の素晴らしい経験も多くある。
――最後に、国境検問所の復興政策は経済自由区の開発に寄与できますか?将来の展望は明確になっていますか?
国境検問所の復興政策において、どこで、どれ位の人員と投資額が必要かなどを明確に示し、開発プロジェクトを進めている。私たちは国境検問所の通過能力を向上させ、よりオープンで自由な流れを実現するために努力している。税制の優遇措置や雇用拡大など、さまざまなツールを活用し、地域の発展に取り組んでいる。これにより、海外からの投資をさらに誘致し、急速に発展する中心地域への流入を促進する政策を進めることができる。政府の役割と民間部門の取り組みを明確に定義する法制定は、経済自由区の開発を加速させる一手段である。