「世界輸出促進フォーラム‐2023」
経済
6月26~29日、オフナー・フレルスフ大統領の後援により「世界輸出促進フォーラム‐2023(WEDF)」が「グリーン貿易の多様化:オーガニック、デジタル、持続可能性」をテーマにウランバートル市で開催された。
同フォーラムは、グリーン経済や貿易、輸出促進に加え、女性や若者を含む中小企業起業家にとって好ましいビジネス環境の創出、電子ソリューションの提供と普及、地域および国際的協力、新たな市場と新規事業の拡大を目的とし、国際貿易センター(ITC)と共催された。
初日の26日、内陸開発途上国の起業家による協議、貿易インフラ、地域の連携、アクセス向上による貿易の円滑化などにおける円卓会議で始まった。
27日は「零細・中小企業デー」であり、若者の起業家精神と雇用増加に関する議論、グリーン・ビジネス提案コンテストも開催され、63ヶ国から選ばれた若い起業家がグリーン・ビジネス・ソリューションと環境回復イニシアチブの2分野で競争した。なお、同フォーラムの結果を2023年末に発足するモンゴル輸出戦略に反映する予定である。
29日まで続く同フォーラムの開会式にバトムンフ・バトツェツェグ外務大臣が挨拶した。バトツェツェグ外務大臣はモンゴルの経済、貿易、インフラ現状の他にウィーン行動計画の実施に関する政策や活動を紹介した。
また、ウランバートル市に本部を置く内陸開発途上国国際研究センター(ITT forLLDCs)の活動拡大及び強化に向け積極的に協力することを加盟国、開発パートナーやその他参加者に呼び掛けた。
内陸国の国境検問所の改善及び電子移行を重視
「世界輸出促進フォーラム2023」のテーマは内陸開発途上国のビジネス環境に焦点を当てた。同会議には50ヶ国以上から200人を越える代表が参加した。
第20回目となるこの会議は、中小企業の代表者、女性や若い起業家、政策立案者、国際機関の声を集めることが独特である。
調査によると、内陸国は世界貿易の僅か1%を占めている。このセッションでは、世界貿易の変化と傾向、特に直近数年の危機後における貿易の新たな傾向、貿易と経済の電子移行、環境に優しい貿易の発展における優先事項について議論した。
内陸国からの貿易は主要な貿易回廊と多数の国境検問所を通過するため、国境改革と電子移行を優先する必要性を強調された。モンゴルは48の内陸国の一つである。
ラバブ・ファティマ国連副事務総長兼国連後発開発途上国・内陸開発途上国・小島嶼上級代表(OHRLLS):
内陸国の取り組みは世界中に広がり、我々はこのようにアジアを対象とする会議に参加し、ウィーン行動計画の実施と内陸国、特に発展途上国が直面する問題や課題について議論している。来年、第3回内陸開発途上国小会議が初めてアフリカ・ルワンダのキガリ市で開催される10年に一度の内陸開発途上国の大臣会合は民間部門の声を政府や国連レベルに届けることを目的とする。この目的達成には同フォーラム開催が良い影響を与えると期待している。内陸開発途上国小会議に先立ち、モンゴル大統領の後援の下、ウランバートル市で「世界輸出促進フォーラム2023」を主催するモンゴルの活動と取り組みに感謝する。
パメラ・コーク・ハミルトン国際貿易センター(ITC)事務局長:
相互的連携のあるサービスは社会をより公平にする。また、サービスに基づくこのアプローチは各国の経済成長と改革を飛躍的に支援する。内陸国にとって輸送と物流はサプライチェーンにおける各部門を調整するための主な原動力となる。現在の世界貿易の傾向は多くの困難と課題に直面している。特に、世界中で不平等が拡大する状況において、開発を伴うデジタルおよびグリーン貿易への移行が必要であり、これまでの貿易方法を変革するプロセスが進んでいる。従い、貿易を最大限に拡大するには、国境検問所へのアクセスと開発を加速する必要がある。内陸開発途上国に関する結果は、2024年にルワンダのキガリで開催される内陸開発途上国に関する10年に一度の国連閣僚会議で発表される予定である。
E.オドバヤル・モンゴル大統領外交政策顧問:内陸開発途上国が世界市場での競争力を高めるため、移行期経済の中小企業を支援する必要がある。同フォーラムの新たな特徴は、若手起業家を支援し、貿易円滑化メカニズムの構築に焦点を当てている事にある。内陸開発途上国の発展を先進国のレベルに引き上げるには何が必要かについての研究結果によると、32ヶ国が計20万㌔の舗装道路と48㌔の鉄道を建設する必要があるとされた。これは5000億米㌦の投資を要すると推定される。内陸国にとって最大の課題は資金調達である。締約国はどのように資金調達するか、開発とインフラ整備を支援する貿易及びスポーツ分野への融資をどのような条件下で提供するかについて同フォーラムで意見交換した。
トーニャ・マクニール・ウィアリー・IBCグローバル社社長:
同フォーラムでは、女性のビジネスにおける平等を確保し、社会経済への参加を増やすことの重要性が注目された。民間部門が女性の起業をより高いレベルで検討することが急務となる。さらに、若者の新しいアイデアが輸出拡大の鍵となると考えられ、若者の起業支援も行われている。パンデミック後に世界の経済傾向が変遷し、商品よりサービス輸出に注力し始めた。内陸国にとって、どのように優良事例を導入し、経済基盤を強化し、貿易パートナーシップを改善し、多様化するかに焦点を当てることが重要だと思う。