電力の安定供給確保に向けた管理システムが稼働!

経済
l.naranzul@montsame.gov.mn
2023-04-12 09:19:32

 43日、中央給電指令所 (National Dispatching CenterNDC) 公社に、電力系統の全モードにおける継続的な供給管理と分析を可能にするリアルタイム・デジタル・シミュレータ(RTDS)装置が贈呈された。贈呈式にはゴンボラグチャー・バルジンニャム同所所長と田中伸一JICAモンゴル事務所長が署名し、装置を稼働させた。

 同リアルタイム・デジタル・シミュレータは、実データによるモデル構築とシミュレーションを実行し、システムの現状把握・分析により、今後の安定供給に向けた計画策定において重要な役割を果たす。ディーゼル発電、太陽光発電、バッテリー発電などの電力源におけるデータをリアルタイムで数値化でき、世界50ヶ国以上が使用する、50万米㌦(175000万トゥグルグ相当)の価値ある装置である。



 エネルギー省とJICA協力により実施中の「再生可能エネルギー導入拡大に向けた電力系統安定化プロジェクト」の下で開催された同贈呈式に参加したミャグマルスレン・バヤルマグナイ・エネルギー副大臣は、「モンゴルと日本50年間の友好関係の歴史上、電力・経済・教育・保健にわたる社会、文化、インフラ整備に対する多面的協力が行われてきた。その中で、1991年に第4火力発電所公社の技術的改良、2014年に同発電所の効率向上において、JICAより有償及び無償資金協力事業が実施されてきた。本日贈呈された同装置により、リアルタイム検知に基づくモンゴルのエネルギー・システムのオンライン管理、各エネルギー源の相互作用の把握などを踏まえ、事前に予測を立て、シミュレーションを行うことで、あらゆる事故防止に役立つ。これは、給電運用における安全性の確保や財務リスクの保護など、多くの利点を持つ」と強調した。

 田中所長は、同装置が導入されることにより、給電状況がリアルタイムで報告され、数値化により各種事故の予測と未然に防止が可能になる。同プロジェクトにおいて、モンゴル技術者が積極的に日本の技術者と交流し、学び続けることを望むと、期待感を表した。



 さらに、中央給電指令所のゴンボラグチャー・バルジンニャム所長は、RTDS導入により、全モードにおける電力システムの評価と最適な給電管理が実施可能となり、作業の効率化につながるスマートな環境が出来上がると、喜びを表した。同プロジェクトの関連調査にエネルギー省、エネルギー規制委員会(ERC)、中央給電指令所(NDC)、国家送電会社(NPTG)、ウランバートル配電会社(UBEDN)、日本・東電設計株式会社(TEPSCO)、東京電力ホールディングス株式会社(TEPCO)らが協力し、装置導入に至った。