フレルスフ大統領:永遠の天の下で、モンゴルが繁栄しますように
政治
(ウランバートル市、2025年11月26日、国営モンツァメ通信社)11月21日、オフナー・フレルスフ大統領は、チンギス・ハーン誕生863周年と「モンゴルの誇りの日」を迎え、ソドブスレン・ナランゲレル氏に「チンギスハーン」最高位勲章を授与した。その後の演説は以下の通りである。
モンゴル帝国の炉床を守り続けてきた我が国の国民の皆様、
世界各地に暮らす同胞の皆様、
ご来賓ならびに代表団の皆様、
世界の千年史に名を刻む偉人であり、現代文明の礎を築いた一人、モンゴル民族の永遠の誇りである偉大なるチンギス・ハーン生誕863周年、ならびに「モンゴル誇りの日」を心よりお祝い申し上げます。
我々モンゴル国民は、偉大な宿命を授かった国民です。永遠なる蒼天は、モンゴルに偉大なる英知を備えた王の中の王、エゼン・ボグド・チンギス・ハーンを授けました。
偉大なるチンギス・ハーンは、モンゴル民族の独立と存続の象徴であり、国民の価値観と精神の源泉となった永遠の主君であり、過去・現在・未来をつなぐ精神的な黄金の絆であります。
エゼン・ボグド・チンギス・ハーンは、モンゴルの諸部族を統一してモンゴル帝国を建国し、フンヌ帝国以来の国家伝統という黄金の綱を固め、モンゴル国家の火を再び掲げ、世界にその名を響かせ高く称えられました。
チンギス・ハーンとその後継者たちは、団結を強め、国家を興隆させ、法と秩序の下で民を統治し、ユーラシアの広大な地域における多民族間の戦乱や対立を収め、「パクス・モンゴリカ」を確立し、精神、宗教、交易、芸術、科学、そして当時の人類社会が発展するための好ましい環境を整えるという偉大な歴史を築き上げました。
偉大なるチンギス・ハーンは、一人の人間の生涯では到底成し得ない偉業を成し遂げ、数千人の指導者が積み重ねても及ばないほどの大いなる歴史を創り上げ、その比類なき名声を世界に轟かせ、人類が探究しても尽きることのない豊かな遺産を残しました。チンギス・ハーンの歴史は、私たちモンゴル民族だけのものではなく、世界全体の歴史であります。
大ハーンの卓越した叡智、歴史、思想、事績から、人類、そして世界各国の指導者たちは学び続けてきました。私たち現代のモンゴル国民もまた、偉大なるチンギス・ハーンの名声と教えを崇め、大切に守り、その精神を継承し、国家の価値観と文化を後世に受け継ぎ、団結を強め、国の発展に寄与し、国家のために尽くすことが崇高な使命でなければなりません。
国家最高位勲章「チンギス・ハーン」最高位勲章を受章されたソドブスレン・ナランゲレル・アカデミー会員に、モンゴル国政府と国民を代表して、心より熱くお祝い申し上げます。
ご来賓の皆さま、
S.ナラングレルアカデミー会員は、民主的な新憲法が施行された当初、国会議員として国政に参画し、社会制度移行期に不可欠であった数多くの法案の策定・制定に深く携わった立法者であります。法学博士、学者、モンゴル国立大学の名誉教授であり、日本国・名古屋大学の名誉博士でもある同氏は、代々続く学者の家系に生まれた優れた学識者であるとともに、教育者であり啓蒙家でもあります。
同氏は、モンゴルにおける法学教育の源流となるモンゴル国立大学法学部において50年以上にわたり教鞭を執り、30名を超える法学研究者、数千人に及ぶ法律家を育て上げるとともに、現代法学および国家の法制度の発展に大きく貢献してきました。とりわけ、国家の法体系形成と西洋法学の研究の基礎となった法学用語集、法学辞典シリーズ、英語・ロシア語の法律辞典を編纂し広く普及させたことは特筆すべき業績であります。また、理論と実務の双方に精通し、検察官およびモンゴル弁護士連盟会長を務めるなど、その歩みは同氏を「著名な法律家・弁護士」として高く位置づけるものとなりました。
科学技術功労者であるS.ナラングレル氏は、歴史資料、叙事詩、古典文献、学者たちの研究に基づき、『チンギス・ハーンの倫理ー法の書』『モンゴル倫理:興隆・衰退・再生』『倫理のABC』など、モンゴル民族の倫理的価値、伝統、衰退と復興、さらにはモンゴル人が備えるべき倫理基準を総合的に整理し、国家の持続的発展の根幹は倫理であることを強調し、人類思想史におけるモンゴル民族の貢献を、確かな史料に基づき解明した著作群により、モンゴル国国家賞を受賞しています。
また、同氏の著書『法の精神 ― チンギス・ハーンとモンゴル人』においては、チンギス・ハーンの法思想の特質を分析し、偉大なるハーンの事績と法の精神が倫理に基づいていること、そして法律および法制度が倫理的価値を守り、強化し、社会に定着させる強力な手段であることを学術的根拠をもって明らかにしています。この著作はすでに英語、ロシア語、ドイツ語、カザフ語、韓国語などに翻訳出版され、世界各国において偉大なるチンギス・ハーンの思想と事績を広く紹介・普及するうえで貴重な役割を果たしていることを特筆いたします。
永遠の天の下で、モンゴルが繁栄しますように
Ulaanbaatar