仮面舞踊ツァムとは

モンゴルについて
dashtseren@montsame.gov.mn
2017-04-17 10:53:04

 モンゴル人の暮らす地域はチベット仏教圏である。このチベット仏教圏は、特に、清代、清朝皇帝による統治政策によって、「中華世界」に対峙する形で、万里の長城の北側、「モンゴル・ チベット世界」として構築された。このような「モンゴル・チベット世界」 において、チベット仏教の伝来に伴い、チベット人のラマ僧によって伝播された集会が「ツァム」である。
 本来は、単なる仮面舞踊ではなく、伝法灌頂を受けたラマ僧に限って修行が許される秘教儀礼であり、秘教修行の観想法を伴って行う集会である。この中には、現世利益を求める増益法、家内安全・ 延命長寿を願う息災法、豊穣を願う請雨法、敵を倒す調伏法などの秘法の実践が含まれている。ツァムを行う際に重要になってくるものに、伝法灌頂を受けたラマ僧しか読むことが許されてない、ツァムの儀礼書がある。
これは、専門用語で記された大まかな儀礼の次第であり、口伝なくしては理解し得ないものであるため、儀礼書を明らかにすることはラマ僧であっても固く禁じられている。