カシミヤ原料の電子取引今春から東部地方より開始
経済
3月27日からカシミヤ原料のオープン電子取引を東部地方より開始することに関し、農牧業取引公社(MCE)のR.アリオンバタ貿易・市場開発マネージャーに聞いた。
――農牧業取引公社から地方におけるカシミヤ原料の電子取引を始めることについて?
農業取引公社は、特定の県と郡でカシミヤ原料の電子取引(イングリッシュ・オークション方式)を開催する予定だ。今年3月末に東部地方から開始する。カシミヤ原料の電子取引により、農家や協同組合は公正な市場価格でカシミヤ原料が販売でき、買い手(バイヤー)は一ヶ所から購入できる。カシミヤ原料の電子取引は、初の試みであり、現在は買い手の登録開始をする等、準備を進めている。
――電子取引の原則は?
基本的に「イングリッシュ・オークション方式」を原則に、売り手の1品に対し、多数の買い手参加による電子取引とし、売り手から販売する商品の数量、種類および最低価格の注文後、最高価格により落札される仕組みだ。農牧業取引公社のカシミヤ原料の電子取引に関する規則に基づき開催される。
――各県で開催される時期や具体的な計画を教えてください。
全国的にカシミヤ原料が先立って生産される東部地方で電子取引開催の準備が完了した。県庁と各県農牧業局と協議し、ドルノド県で3月27日、29日、31日に、ヘンティ県で3月27日~31日に、スフバータル県で4月3日、5日、7日に開催されると決定した。一つの県において5日間、2~3回に電子取引が開催できるようにした。
――電子取引参加者に対する要件はありますか?
全ての畜産農家、協同組合、原料供給者を含む関係者が参加できる。買い手は、取引開始前に登録後、指定の清算口座に預り金100万トゥグルグを入金することで登録確定になる。これは、電子取引の意図的な妨害リスクを防ぐためである。売り手は、カシミヤ原料の最小限量である500㌔以上提供することで取引に参加可能となる。最小限量の500㌔に達しない場合、多数の農家が共同組合形式で参加可能であり、開始1時間前までに指定の倉庫に、原産地証明書付きカシミヤ原料を配置する必要がある。3月20日から同取引公社設置のシステム上に登録が開始された。
――電子取引により農家は市場価格でカシミヤ原料が販売できますか?
農家は、カシミヤ原料の原産地証明書を登録することにより産地が認定され、注文した最低価格から入札され、一番高い価格で落札されるため、市場価格における販売が確保されると見ている。
――買い手にとってどんな利点がありますか?買い手は国内企業である必要がありますか?
産地が認定され、品質が確保されたカシミヤ原料が一ヶ所に集まるため、買い手は、原料収集にかける時間とコスト削減ができるメリットがある。国内企業、貿易業者を含む全ての買い手が同取引に参加可能である。
――他の地方における電子取引はいつ開催されますか?
今後、中部、ゴビ地域と西部地方で開催する予定だ。各地方におけるカシミヤ原料の生産量と気象条件を考慮の上、同じく地方自治体の行政関係局と協議し、電子取引の開催日を決定し、一般公開する。
――原料販売を電子取引により行うメリットは何でしょうか?
農家にとって、産地特有のカシミヤ原料を収集し、オークションで適正な市場価格で販売することが可能になる。さらに、買い手にとって、各地方に出向きカシミヤ原料を集める時間と費用の削減ができ、一ヶ所から購入できる上、場所を問わず世界中どこからでもオンライン参加が可能である。今後、売り手と買い手の双方にとって、有意義で効率的な売買になると期待しており、毎年恒例に開催したいと考えている。