モンゴル鉄道、アジアや欧州を繋げる近道

経済
arvis@montsame.mn
2016-09-19 09:50:53

 モンゴル・ロシア合弁会社ウランバートル鉄道の地域経済への参加や経由輸送を増やす目的でシベリア鉄道輸送規制委員会の第25回会議がウランバートル市で開催され、28カ国130名が出席した。また、「シベリア運送規制委員会」国際連盟総裁、ロシア鉄道公社社長ベロショロヴ氏、ウランバートル鉄道社社長L.プレウバートル氏らが出席した。

 シベリア鉄道は欧州やアジアを繋ぐ主要回廊と認知されている。モンゴルの鉄道もシベリア鉄道の一部である。そのため、同会議ではモンゴルの鉄道分野の改善が優先課題とされた。

 ウランバートル鉄道社社長L.プレウバートル氏は「鉄道は東北アジアで高いレベルで発展している。しかし、韓国や北朝鮮の外交関係の悪化が原因で、その二国を経由する鉄道輸送の運行は不可能である。そのため、北朝鮮では鉄道運送をしていない。韓国は海路で運輸している。それについて審議しなければならない。

 鉄道輸送は一国領土内に限られない。各国の鉄道分野の活動の格差が協力を妨げている。また、各国がそれぞれ自国の法律に従っていることも難問代となる。これらの課題を解決することが必要である。

 世界には鉄道の車輪を交換している国が2つあり、それはモンゴルとポーランドである。ポーランドは欧州連合加盟国の軌間規格に合わせ、旧ソビエト連邦の構成国となっていた各国においては、軌間の違いにより車輪を交換している。

 モンゴルも車輪を交換する時期となった。モンゴルはアジアと欧州を繋げる近道であるにもかかわらず、カザフスタンや満州経由の鉄道輸送が多い。

 モンゴルは既存の鉄道や建設予定の鉄道を各国の規格に合わせる予定だ。2020年までにウランバートル鉄道会社は先端の輸送管理を開始する予定。そのため、機材の改善は2018年に終了する計画であり、輸送速度が向上し、モンゴル経由の鉄道輸送を2018年から1000万㌧増やすことができる」と語った。

 シベリア運送規制委員会の会議は年に1~2回行われ、シべリア鉄道経由のトランジット輸送と貿易輸送に関する各課題を審議している。

 さらに、ロシア鉄道を利用し、東南アジア、中東、中央アジア及び欧州各国の経済連携、運送協力を開発する義務をもつ。同委員会の会議はウランバートル鉄道社の支援により、初めて9月14~15日、ウランバートル市で開催される。モンゴルの鉄道はシベリア鉄道に欠かせない存在である。モンゴルはシベリア鉄道回廊の運輸における立場を強化し、ウランバートル国鉄で実施している運送料金の割引、更新計画を国際社会に向けて紹介する。

 シベリア鉄道輸送規制委員会の総書記ベソノヴ氏は「モンゴルはトランジット輸送を発展させるため、適切な運賃政策を講じることや経由センターを設立することが重要。ロシア、ベラルーシ、カザフスタン合弁鉄道会社は3カ国を経由する輸送に同じ運賃を設定している。

 しかし、モンゴルの鉄道運賃は20%高い。モンゴルはロシア・ベラルーシ・カザフスタン合弁会社と合併することが可能だ」と語った。

 モンゴル・ロシア合弁会社ウランバートル鉄道は1949年、1956年に段階的に建設され、ロシアや中国と繋げる幹線である。さらに、同鉄道はシベリア鉄道を中国と直接結び付けている。年間輸送量は2400万~2500万㌧である。2016~2017年に技術改善を行うことで、2018年の年間輸送能力を3400万㌧とする目標である。さらに、2020年に4800万㌧、2030年に7600万㌧にする計画である。2016年、ウランバートル鉄道の輸送貨物は石油が多かった。3カ国首脳会談では、モンゴル鉄道で250万㌧の石油を輸送すると合意した。この輸送は、モンゴルへ5000万米㌦の収入をもたらすことができる。さらに、モンゴル経由で中国から欧州へのコンテナ貨物を増やす。輸送能力は1000万㌧増えるため、モンゴルの各国・地域における経済的役割がさらに大きくなる。現在、ロシアと中国の2隣国の軌間(広軌や狭軌)は異なっており、これはモンゴルにとって有利な条件である。また、ウランバートル鉄道はアジア・欧州を繋げるトランジット輸送回廊となる希望を表明している。今月の臨時国会では、ウランバートル鉄道会社の競争力を向上させるため、ディーゼルの特別税を免除した。ディーゼルの燃料費は同社の費用の42%を占めている。

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