バトジャルガル氏:気候変動緩和に「10億本の植林」全国運動が最重要である
経済
(ウランバートル市、2025年6月15日、国営モンツァメ通信社)「持続可能性に関する対話2025―気候変動:10億本の植林」国際会議の際、Z.バトジャルガル気候研究者に気候変動および「10億本の植林」全国運動について話を伺った。
ーー「持続可能性に関する対話2025―気候変動:10億本の植林」会議の意義をどう考えていますか。
同会議で気候変動が取り上げられている。「10億本の植林」全国運動が政府の主導の下で進められ、国民、企業、団体、そして個人までが参加している。「10億本の植林」全国運動を開始する際、温室効果ガスの吸収に重点が置かれていた。具体的に、気候変動による乾燥化は、モンゴルの植生、森林、低木、灌木、草花など全てのものに影響を及ぼしている。同運動は、気候変動の緩和、適応、特にモンゴルの経済や人々の暮らしに深刻な影響を及ぼす乾燥化への対抗が最重要である。
ーー専門家として、モンゴルにおける気候変動の進行はどれほど速いと考えていますか。
気候変動は、モンゴル国土において平均気温がどの程度上昇し、温暖化が進んだかによって示される。過去80年以上の間に降水量が7〜8%減少し、平均気温が約2.55度上昇した。これは世界の平均よりも速いと考えられている。世界の平均気温を2030年まで1.5度以下に抑える目標が設定されたが、既に1.55度上昇し、目標を超えてしまった。しかし、世界の平均とモンゴルの平均は異なる。モンゴルだけでなく、地球の寒冷な気候帯でも気温の上昇と急速な温暖化が観察されている。気候変動により、自然災害の数が増加している。モンゴルは温室効果ガスを14%削減する目標を設定している。植生を増やせば、温室効果ガスを33〜34%削減することができる。しかし、私たちの力で解決されない一つの脅威は気候変動である。その原因は大気中に放出される温室効果ガスである。モンゴルが排出する温室効果ガスの量は非常に少ないものの、一人当たりや一製品当たりの排出量は他の国よりも高い。
ーーモンゴルの土壌と気候にどの種類の樹木が適合しますか。
まず第一に、その地域に自生する在来植物を中心に植えるべきである。 ただし、どのような目的で植えるかによって大きく異なる。農地で風よけとして、道路の脇では防護壁として、都市部では装飾として植えるなど、目的によって適した木が異なる。従って、植樹は政策的に、専門家の関与の下で、いわば科学的な根拠に基づいて行うべきである。あちこちに好きな木を勝手に植えて放置することは効果がない。地方に、専門家ではないけれど自発的に木を植え、経験を積み、成果を上げている多くの人がいる。その人々の優良な経験を広め、経験を共有し、助言を受けることが最も効果的な取り組みであると思う。