国内銀行の競争力を向上させた後に外国銀行を開業すべき

経済
arvis@montsame.mn
2016-10-28 15:30:11

経済学者のM.チメドドルジ氏にモンゴル経済現状や景気回復などについてインタビューした。

――モンゴル経済は不景気の状態です。不景気の要因は何だったでしょうか?

 モンゴルの経済は第一次産業がメーンのほか、鉱業部門の輸出が予算歳入の大半を占めているなどの特徴があります。そのため、世界市場での原料品、その価格変動などに伴い、経済に対する影響は様々です。その上、価格上昇に伴う財政拡大が経済に悪影響をもたらしています。現在の経済状況や不景気の原因は世界市場での原料品やその価格の下落、財政赤字と考えています。

――長期に持続的な経済成長を支えるには、予算歳入や歳出をどのように変えていく必要がありますか?

 わが国は資源価格の関連のある予算をつくっています。そのため、原料品の価格上昇を基に財政を拡大するのは最もリスキーなことです。すなわち、歳入が増加するに伴い、財政を拡大してはいけません。我々のやるべきことは赤字のない予算をつくることです。そうすれば、資源による収入でファンド開設や持続的な経済成長を生み出すことができます。

――エコノミストや経済学者たちは予算歳出を減らす様々な政策を提案しています。チメドドルジ氏としては…?

 社会福祉の歳出を引き上げれば、戻せないということを分かってほしい。また、長期に持続的な経済成長を支えるためには投資による歳出を経済効果のあるインフラ整備や建設に融資すべきです。

――国債の返済期間が近づいており、政府や予算には負担になるでしょう。そこで、国際通貨基金(IMF)のスタンド・バイ取極を受けることや中国の借款などが話題になっています。この課題については…?

 我々は、原料品の価格が世界市場で上昇していた時期に国債を発行し、資金を調達しています。残念ながら、政策として幾つかのミス、世界市場の影響でモンゴル政府に対する信頼はなくなっています。そのため、我々は返済期間を延期する必要があります。一部のエコノミストは追加借款や国債を発行し、不景気を乗り越えるべきと見ているが、節約する方向で解決すべきという意見もあります。私としてはスタンド・バイ取り決めを受け入れ、政策のミスを修正するのが正しいと思う。また、多くの経済学者たちは中国のローンで実施する計画やプログラムは自国の合弁会社や企業が中心として参加し、労働力の取り入れなどの課題に直面するだろうと語っています。この場合、ローンによる経済収益はモンゴルにとって少ないということですね。

――国内のローン利子は高すぎるという理論は社会を取り巻いています。利子を引き下げるにはどんな政策を実施する必要がありますか?

 利子を引き下げるといったら又しても財政拡大が課題になってきます、財政拡大が金融政策に影響し、政策金利を引き上げる要因になっています。

――一部の経済学者らは国債銀行や外国の商業銀行をモンゴルで開業したことで競争力が向上し、利子は下がると見ています。例えば、中国銀行(Bank of China)の開業は効果的と見込んでいます。この面では?

 モンゴルに外国の銀行が開業することは可能です。しかし、今の時期は不適切と思います。それは、国内金融部門の94%を銀行が占めています。だが、国内銀行の競争力は低下しています。そのため、資本市場を利子に影響するまで開発させる必要があります。また、各銀行の資本を引き上げることも必要になっています。そうすれば、利子も下がり、国内銀行の競争力が向上します。

――景気回復や持続的な経済成長を支えるのは予算節約と財政規律ということですね。どのように実施すれば良いのでしょうか?

 モンゴルの選挙制度は予算政策に一定の影響を与えていることを理解してほしい。また、政府の単独性を改善し、政治的なポピュリズムから予算政策を離し、実現が不可能な社会福祉を選挙公約からはずす必要があります。

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