かつての江戸-現在の東京 (2) 視察紀行

社会
41@montsame.mn
2017-05-19 16:04:03
東京で耳にした政治家:安部首相&小池都知事

 安倍晋三は現代の日本のみならず世界的な政治家として目立った存在。そういうことで日本国民は同氏を信じており、首相になってからの支持率は50%以下になっておらず、常に60%台を維持していた(※当時)。昨月、総理夫人と関係する土地売の噂が広まったが、まもなく収まった。
 総理公邸はモンゴルの大使館から500メートル離れたところにある。安部首相はその公邸(2.26事件で殺害された当時の政治家や憲兵隊員の幽霊がいると噂されている)には、ほぼ住んでおらず、本人宅に住んでいるという。4世帯が住むその住宅には安部首相が夫人と共に住むほか、母親、弟(外務副大臣)、親戚と一緒に住んでいる。政治家一族である首相の母方の祖父はかつての日本の総理、父親は外務大臣、母親は自由民主党の創設者の一員だった。

 安部首相は首相就任以来、世界80カ国を訪問し、日本では120カ国の首脳、政府要人と面会した。夜明けからスタートする彼の仕事は基本的に「会談、会談、会談」だと、身近な人々が話している。同氏の目的は日本を政治、経済で世界一の有力国として確保することだ。
 去る3月、安部首相は自分の支持党員により、総裁選に3回立候補できるようにした。このため首相が来年度の自民党総裁選に当選するのは明らかとなり、次々の選挙に自民党が勝利すれば2021年まで首相として活躍し、日本の歴史に最も長く在位した首相として伝説的な政治家になれる。
          
日本政治のもう一つの独特な役柄は東京都知事の小池百合子氏だ。昨年、東京都知事選挙に当選した同氏は政治家としての立場を確定するため、既に歩み始めた。安部首相との関係が良くない同氏を、日本の報道では「政党から独立し、新党を設け、日本の次の首相になる人物」等と、書かれている。従って、小池氏は大半の東京都民に支持されているので、首相や自民党総裁から都知事を辞めさせられる恐れはない。
 小池知事は環境大臣を務めていた際にモンゴルを訪問し、ナラン廃棄物処理場の現場を視察した経緯がある。これについてモンゴルのS.バトボルドモンゴル都知事兼ウランバートル市長との面会当時を振り返り、東京都とウランバートル市間の協力関係を全面的に促進する意向を示したのである。


駐東京・モンゴル大使の話
 駐日本モンゴル国特命全権大使のS.フレルバータル氏がわれわれ一行を大使館で歓迎し、夕食会を開き、モンゴルと日本両国関係の歴史、現状、今後の傾向、大使館、領事館スタッフの生活、日本に滞在するモンゴル人の生活などについて幅広いテーマで話をしてくれた。
 S.フレルバータル大使はモスクワ国際関係大学を卒業し、外交官、駐日本モンゴル国大使館員、第3等書記官、大使としておよそ20年間務めている。この意味では今年、外交関係樹立45周年を記念しているわが両国の関係についてどの面からでも話せる人物である。大使は、3 0 年ぐらい前には、モンゴルは日本と「近いけれど、遠い国」だと言っていた。しかし今は、周辺地域では日本は最も親密な国になっている。日本人はモンゴ
ル人に対して心から親しみを持っている。1991年に海部首相がモンゴル訪問時に、「モンゴルの民主化移行は、政治のみならず経済面でも支援する」と表明した。実際に支援してくれた。当時から日本で「モンゴル支援各国会議」を10回も開催した。日本政府が外国に最大20万米ドルを支援する。しかし、去る3月にM.エンフボルド首相の日本訪問の際、安部首相は自ら政治決断をし、モンゴルに10億米ドルの借款を供与するとした。だが、外部のアナリストらがそれを取り上げ「モンゴルには8500万米ドルの借款で十分だ」と助言し、結局、8500万米ドルになったのである。
 現在、日本側はわれわれに「創造的で実務的に断固として行動してほしい。わが政府が支える。それと共に両国の企業間の協力を緊密にし、民間を基礎にした貿易、投資を増額する必要がある。今はその時期に至った」と言いつづけている。モンゴルもこれを重視することが必要となっている。日本からモンゴルへは年間2万人余りが訪れている。ここ数年、日本が査証緩和対策を取った結果、日本を訪れるモンゴル人の数が急増している。現在、この数字は2万人に近づいている。MIAT航空会社が成田へ週に冬季4回、夏季に6回飛行を行なっ
ている。これを基盤に投資と貿易量を増やす可能性が高くなると話した。更に、フレルバートル大使は、両国関係の架け橋となって貢献してきた人物が高齢となり、彼らを受け継ぐ若者が減っていると悩みも話してくれた。今年50周年を記念する日本・モンゴル親善協会の柳澤徳次理事長は今年83歳を迎えている。海部元首相も80歳を超えている。一番若いのは清水武則元大使(64歳)となっている。大使のもう一つの悩み事は東京にある大使館本部。日本の行政管理庁がこの建物を震度6度で完全に崩壊する危険性があるから、至急改築するよう要請しているという。大使はこの問題をモンゴル政府に紹介し、国会に提出し、2013年に工事を始めようとしたところ、国からは資金が出されなかったそうである。大使は「幸運にも大使館は丘の上にあり、巨大地震が発生しないおかげで、今は通常に活動しているが、今後、モンゴル政府はこの大使館の建物を改築する時期に差し掛かっている」と述べた。
 現在、日本には7000人余りのモンゴル人が留学や仕事で長期滞在している。華やかな生活を送っている人も多くいるが、表があれば裏もあるというように、査証が緩和され、人々の往来が増えるにつれ、モンゴル人はお互いを騙し、窃盗、詐欺事件に関わるケースが増え、領事館の仕事も増えている。つい最近、ウクライナに留学していたモンゴル人女性を収入が高い仕事に案内し、日本に騙し呼んだ事件もあったという。
 今後、両国がより一層親密に交流することを願う東京訪問であった。
 
本社副社長:Sh.バトボルド