ザブハン県:モンゴル遊牧文化を受け継ぐのは遊牧民

地方ニュース
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2025-10-22 11:10:43

(ウランバートル市、2025年10月22日、国営モンツァメ通信社)ザブハン県は、モンゴルの遊牧文化を受け継ぐ多くの遊牧民が暮らしている。

同県で約1万100世帯が四季を通じて家畜を飼育しており、これらの遊牧民はモンゴルの伝統的な遊牧の作法や礼儀を伝える担い手となっている。

10月17日 が無形文化遺産保護条約が採択された日である。この日は、無形文化遺産を保護し、広く普及させることの意義を改めて認識する日でもある。

「モンゴル遊牧の儀礼」は、モンゴル国の無形文化遺産代表的国家登録簿に登録されている伝統文化の一つである。

人と家畜、そして自然の深い関わりの中から生まれたこの遊牧の慣習は、モンゴル民族の暮らしの知恵を今に伝えている。

モンゴルの遊牧民は、四季の循環に合わせて「冬営地」「春営地」「夏営地」「秋営地」と呼ばれる生活圏を形成し、独自の牧草地の分配体系を築いてきた。遊牧民は人や家畜の状態を見ながら移動や定住を決め、長く同じ場所に留まると草の生育が悪くなるため、適切な時期に移動している。

また、干ばつや厳冬(ゾド)、火災、洪水などの自然災害を避けるため、どこへ、いつ、どのように移動するかを慎重に判断している。この遊牧には地域の地理・文化・生態的環境、家畜構成に応じて、森林地帯型、草原地帯型、砂漠地帯型などの種類があり、移動日数や使用する家畜・道具、さらに各集団の生活文化や信仰によって、行われる儀式や作法にも細かな違いがある。

ザブハン県で、ラクダに荷を積んで移動する家族や、牛車やラクダ車を使って移動する家族が今も伝統を受け継いでいる。特にゴビ地域の乾燥した高温の気候で、遊牧民は主にラクダを飼育し、子ラクダのうちから荷役や運搬の訓練を行う。ラクダで移動する家族は50㌔㍍以上の距離を移動することもあり、数日かけて長距離の移動を行う場合もある。

一方、草原や高地に住む遊牧民は牛車を使うが、山岳地帯など障害の多い地域で牛車を使えず、ラクダや牛に荷物を積んで移動する。
ザブハン県のD.ツェレンドゥラム無形文化遺産担当官は「このような遊牧の習慣は、地域の生態学的特徴と密接に結びついている」と話した。