モンゴル銀行、エンフジン局長:為替安定への期待感がある

経済
naranchimeg@montsame.mn
2018-11-20 10:44:11

モンゴル銀行(BoM)準備金管理・金融市場局のA.エンフジン局長にトゥグルグ安問題や住宅ローン等について聞いた。

 

――市民活動家らは、トゥグルグ安ドル高に対して為替平衡操作を求めて抗議に出ていますが、彼らはモンゴル銀行(BoM)がおよそ30億米㌦の外貨準備金を保有しているにもかかわらず、1米㌦が約2560トゥグルグ台までに跳ね上がっている、として批難しています。そこで、為替レート変動に対して緩和措置はあるかを聞きたいです。

 18年に入ってから対米ドルでトゥグルグ安はおよそ5.7%進行した。内外の要因がある。外部要因はアメリカ連邦準備制度理事会(FRB)が2008年に踏み切った量的緩和策を2015年から引き締めを始め、これまで8回に渡って金利引き上げを実施した。今は政策金利が2.25%である。アメリカの利上げにより、新興国からの資金流出という現象が起きる。この現象は18年にモンゴルで強く現れた。BoMがまとめた報告で、2018年に170カ国中84カ国の通貨安が対米㌦でおよそ4%以上進んだことが分かった。モンゴルはまだマシな方。なぜなら、大幅な赤字国際収支を抱えているからだ。さらに経済好調に伴い、輸入額も前年同期比40%増の12億米㌦増えた。その分の外貨を調達せねばならなくなったというわけだ。だから、アメリカ利上げは為替レート変動の過度な動きをもたらした。

 それともう一点がある。中国経済の不透明感だ。過去20年間に渡り高成長を続けてきた中国経済が失速してその成長鈍化があらわれた。それと同時に、アメリカとの貿易摩擦も同国の経済へ影響をし始めた。貿易摩擦が長期化すれば、中国が最大輸出先だからモンゴル経済へ影響を与えかねない。

 内部要因としては輸入拡大を挙げられる。輸入の急激な増加は、返って鉱物資源の輸出へ過度に依存する小さな経済にとって為替変動の圧力を強いられる。為替レート変動は9月、過度に動いたが、10月に入ってから安定した。今後も安定する傾向だ。

 モンゴル開発銀行の債券発行による調達資金およそ5億米㌦がBoMへ振り込まれ、外貨準備高は134月以来の最高額となるおよそ34億米㌦に達した。貿易収支の黒字と主要輸出品の市場価格維持などに後押しされて外貨準備金が増加傾向だ。一方、経済活動は冬季に緩くなる傾向がある。これに関連して、為替レートも安定すると見込んでいる。

 

――トゥグルグ高に向けた操作はあり得ますか。

 BoMは今年度におよそ81300万米㌦の為替介入を試みたが、トゥグルグ安の応急措置になれなかった。そもそも、これは経済の構造問題で、主要輸出品目が少なく、国際収支赤字を抱えている国は輸入抑制の方向で働かねばならないことを示している。その反面、経済の基盤強化をしない限り、問題が解決されず、最も深刻になれかねない。国は経済の構造改革、経常収支の改善、輸出品目の増加へ目を向けるべきだ。それと同時に外国投資誘致へ注力せねばならない。経常収支改善により、外国人の投資意欲を誘発する。

 

――このたび、2019年度予算案は国会の審議を経て可決されました。長期的な為替安定化に向けてどんな措置が可能でしょうか。

 次年度予算案は歳出がおよそ12兆トゥグルグで可決された。拡張的な予算の時、必要性へ応じて引き締める可能性を否定できない。モンゴル経済は輸出品目が少ない上、一国へ過剰に依存するため、外貨準備金の増額は為替安定化より安全保障の観点から重要である。

 我々は2016年と17年に返済期限の対外債務を延期させたが、2020年から再び返済に迫られる。返済に当たって相当の計画が必要である。34年ごとに不況を繰り返してしまうと、国が発展できないからだ。あらゆる実態に備え、安全網を拡充させる必要だ。BoMは、為替変動が実態経済へ悪影響を及ばしていることをよく配慮している。そのため、今のところ、為替市場へおよそ8億米㌦を投入している。

 

――中国人民銀行との為替スワップ協定は?

 モンゴルは2017年に中国と二国間通貨スワップ協定を延長した。二国間通貨スワップ協定の規模は約150億人民元。BoMは既におよそ120億人民元を活用。2020年までに決済しない。それによる、外貨準備高への負担もない。

 

――住宅ローンの現状について教えてください

 住宅ローン運用は平常通り。国際通貨基金(IMF)との合意枠で推進中だ。BoM189月までにおよそ2030億トゥグルグを住宅ローン資金として拠出。年末にかけて拠出金も増えるはずだ。

 

――住宅ローンで順番待ちが多く、簡単に下りないとの印象ですが、これについてお考えは

 住宅ローンは2013年から始まった。13年と14年は需要も多く、多額な出資も行った。そして、15年と16年に平均月間出資額は500億~600億トゥグルグだった。BoMと政府は今、緊縮財政政策で260億トゥグルグを拠出している。需要があるにもかかわらず、供給減少であることも分かっている。実態の改善及び効率的な融資を図り、BoMと政府、建築・都市開発省が検討入りした。

 

――ありがとうございました。