ソロンゴー内閣官房次官:事態はプロジェクト中断までエスカレートしないだろう
経済バヤルサイハン・ソロンゴー内閣官房次官は1月14日、弊社取材に対して「オユトルゴイ鉱山開発を巡る対立はプロジェクト中断までエスカレートしないだろう」と語った。ソロンゴー次官は、オユトルゴイ鉱山坑内掘りに係る資金調達計画を取り消す内容の政府書簡送付についての質問に対して次のように述べた。
「オユトルゴイ鉱山の事業採算からすると、鉱山が40年間稼働しながら、たったの4年だけの法人税納付とはあんまりです。だから、配当や納税金など経済的利益を見込めない事業は、モンゴルにとって、本当に有益かどうかを真剣に協議する必要があるとの書簡を送りました。
また、国会が2015年の坑内掘り資金調達計画が国内法規に反することを理由に改善を要求しており、政府もこれに応じて要望を出して、双方は協議入りしました。交渉はプロジェクト中断までエスカレートするほど難航すると言い難く、政府もプロジェクト中断を表明していないです。リオ・ティント社が改めた事業見積書からすると、モンゴルが受ける利益は大幅に減少しており、モンゴルも税収を求めています。問題はおそらく解決し、その間に坑内掘りも本格的になるでしょう」
中断されるとの懸念もあるようですが、坑内掘り開発は通常通りに続くとの意味でしょうか
「リオ・ティント社とターコイズ・ヒル・リソース社も当該案件について、プロジェクトを中断させるほどの深刻さとは言及していなく、我々もプロジェクト継続を望んでいます。2015年の坑内掘りに係る資金調達計画に付き、政府は今年1月の稼働を期待していたが、次期は延長されて22年10月となってしまいました」
事業収益性を向上させるため、具体的に何を提案しましたか
「低収益性の原因はいくつかあります。一つは投資コストの大幅な増加です。コスト増大は、実際収めるべき利益の納期を延長させてしまうことに帰結します。オユトルゴイ鉱山の開発費は53億米㌦と見積もったが、費用は当初の見積もりに比べると30%の14億米㌦増大した。また、本事業資金は約44億米㌦が金融機関借入となります。ターコイズ・ヒル・リソースも借入高が約70億米㌦。オユトルゴイ鉱山の関係者は借入総高は110億米㌦で、常に巨額な利息を支払っています。さらに、リオ・ティントは、オユトルゴイ社に対するコンサルティング料を、利子付けで投資経費と事業費から収めています。出資者の借入利息を引き下げるべきです。これらの努力を通じて、モンゴルの収益性が向上すると思います。また、コスト・パフォーマンスが悪くなる背景に本当に地質的な要因があるのか、経費削減をできないか、という問いもあるだろう。だから、政府はオユトルゴイ鉱山の坑内掘り事業へ第3者機関の査定入りを提案しました。政府単独での査定入りは他の当事者参加を否定する恐れがあったため、オユトルゴイ社の役員会が決めることにしました。当該役員会もモンゴル政府代表2名、ターコイズ・ヒル2名を構成の特別委員会を設置し、第3者機関の選定に取り掛かっています。ターコイズ・ヒルのアメリカやカナダの小口株主も、坑内掘り事業の開発費増加と稼働延期に関する適切な情報の提供が遅れた理由にもめており、政府は英米金融規制当局も当該案件について行政審査を始めたとの情報を入手しました。第3者機関はどんな結果を出すかまだわかりません。本当に地質的な要因があるかもしれないし、そうじゃないかもしれない。真相を確かめてこそ、相互信頼ができるし、それは事業の安定的な継続に役立つと思います」