中央アジア地域経済協力、ウランバートル・ワークショップ開催

経済
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2019-05-23 15:20:11

 バヤル氏:経済多角化を図るに地域レベルでの情報共有が大事

 


5 月1 6 日、「中央アジア地域経済協力( 略称:CAPEC)における経済多角化の推進」をテーマのワークショップが、ウランバートルにおいて、コーポレート・ホテルで開催され、アフガニスタン、アゼルバイジャン、ジョージア、カザフスタン、パキスタン、タジキスタン、トルクメニスタン、ウズベキスタン、キルギス、モンゴル、中国のCAPEC関係11カ国代表が出席した。このワークショップは、中央アジア地域経済協力研究所と国連工業開発機関の共催による。今回のワークショップについて、サンジャースレン・バヤル中央アジア地域経済協力研究所所長に聞いた。


――地域レベルで経済多角化を重視する傾向が見られるが、その訳とは

 グローバル化が急速に進んでいる。その中、経済多角化は世界各国の共通課題、特に中央アジア及びコーカサス山脈地帯の国々に圧しかかる大きなチャレンジとなっている。特に、人口が少ない低所得国にとって大きな問題である。現在、中央アジア地域の国々はその発展の具合が様々であり、ただ高度成長を達成していないという共通点がある。モンゴルのような、鉱物資源への依存度が高い国も存在する。だから、経済多角化に向けての取り組みは大切である。経済多角化は、構造改革、リソースの効率的分配、セクター内の合理的な配分を通じての労働効率化を図ることと連結する。経済多角化を農業、重工業及び軽工業、観光業の振興で図るとなると、上述した各国において発展相違が生じ、共通認識がなかなか難しい。


――それで、解決策とはありますか。共通する認識とは何でしょうか

 各国に関して言うと、それぞれがその特質を活かしたセクターを成長させると、その国の強みになるとの見通しを出来る。上述した通り、今の世界もそういう傾向になりつつある。つまり、一国だけの問題ではなく、世界共通の課題と化している。世界各国はインフラやエネルギー、道路等に関する統合網の整備を進めている中で、地域における経済多角化及び連携強化を議題に意見を交わしている。一国による需要品を他国がその製品で賄うとの仕組みが確立すると、地域レベルの経済が成長する。一つの例を挙げると、このほど、新経済フォーラム中、バトトルガ大統領が中国経済について「世界最大の輸出国は、世界最大の輸入国になった」と言及する一幕があった。これは偶然なことではない。中央アジア地域諸国も中国市場での展開を図っている。モンゴルもそれに遅れをとってはいけない。そのため、経済多角化が必要である。各国においては、民間セクター奨励とその成長環境の整備が重要な課題。これに関連して、中央アジア諸国で実施された成功例に基づく、特定セクターに対する産業及び投資政策を集中させる政策提言が、昨年11月にトルクメニスタン・アシガバートで開催されたCAPEC第17回閣僚級会合中に発表された。


――このワークショップの参加者について教えますと

 今回は、中央アジア地域諸国の経済多角化に関する政策実務者らが集まり、それぞれの国が掲げる政策について議論している。各国には成功例と失敗例の両方もあるわけで、それぞれの経済について意見を交わしている。国連貿易開発会議がまとめた中央アジア地域における貿易構造及び地理的分配に関する統計報告書からすると、輸出産業多角化に関して、カザフスタンやアゼルバイジャン、タジクスタンが先進しているとされた。


――このワークショップから期待される成果とは

 各国代表はそれぞれの国が固有な特質にあった産業形態とそれに関する方策、政策実施方法について一定の理解を得られることを期待している。つまり、各国は、成長の動力を発見し、それを加速させる方法を確認するだろう。即ち、今回のワークショップを通じて知識と情報を得られることとなる。