2017年の国際10大ニュース

政治
41@montsame.mn
2017-12-26 09:19:11
1.トランプ第45代アメリカ合衆国大統領の執務スタート


 2016年11月に行なわれたアメリカ合衆国大統領選に勝利した億万長者のドナルド・トランプ 氏が「米国第一(アメリカファ ースト)」スローガンの下で1 月20日に執務をスタートした。不法移民に対する厳重な取り締 まり、移民に対する厳格な審査、雇用の促進、気候変動に関する資金拠出停止、環太平洋経済連携協定(TPP)からの脱退など、選挙公約は最初から実現され出した。例えば、イスラム教徒が大多数を占めるイラン、 リビア、シリア、ソマリア、ス ーダン、イエメンの計6カ国の市民を対象にした新しい入国禁止の大統領令に署名した。また、気候変動に関するパリ協定と12カ国が参加するTPPから の離脱を決めた。さらに12月6 日、トランプ大統領がエルサレムをイスラエルの首都と承認したため、イスラエルとパレスチナ間の対立がいっそう激しくなっている。パレスチナはエルサレムを「国家の永遠の首都」だと見ている。



2.汚職疑惑のため韓国の大統領が罷免



 世界各国、そのうち韓国が「 汚職」と厳しく闘っている。 この事例は収賄、職権乱用、機密流出という疑いで、朴槿恵( パク・クネ)大統領の辞任を要求したデモが全国で頻発し、さらに、憲法裁判所が3月10日、 罷免を宣告した。なお、現在朴 槿恵前大統領はソウルから遠く ない拘留所で受刑生活を送っている。朴槿恵(パククネ)前大 統領の罷免に伴い、5月に行なわれた次期大統領選に北朝鮮から脱北した避難民の息子文在寅 (ムン・ジェイン)氏が当選した。人権派弁護士を務めていた 文在寅新大統領は、核・ミサイ ル開発を進める北朝鮮問題では「解決する道筋を準備する」と述べていたが、北朝鮮が6回も核実験実施したため同氏は“行き詰った”状態となっている。



3.ビットコイン価格が高騰


 2017年に入ってからビットコインという仮想通貨の価格が急騰し、12月12日現在、1 万8000米ドルを突破。ビジネス経営者のみならず、庶民にまでビットコインの購入が広 がっている。 ビットコインはサトシ・ ナカモトを名乗る人物によって投稿された論文に基づ き、2009年に運用が開始されたものである。2010年に1ビッ トコインが1米ドルだったが 現在1万6000~1万8000倍も上昇している。フェイスブックとの訴訟を起こしていたウィンクルボス兄弟は初の「ビッ トコイン億万長者」になっている。彼らは2013年に1100万米ドルでビットコインを購入していたが、当時1ビットコインは120米ドルだった。今年12月からは1ビットコイン1万1000米ドルを超え、彼らのビットコインの価格は10米億米ドルを突破した。しかし、価 格の急騰、変動、ハッカーの衝撃などからオブザーバーら は「ビットコインは価格のバブル、仮想の方法で儲ける方法」だと批判している。


4. ロヒンギャ問題



 数年前に民主化に移行し、 その強化への努力が国際社会から称賛を受けていたミャン マー国だったが2017年に「悪 い意味」で国際社会の注目を浴びている。ミャンマーのイスラム系少数民族ロヒンギャ (ROHINGYA)の多くが住むラカイン州で8月に9人警官が殺害された事件があったこの警官らをロヒンギャの武装集団が待ち伏せ攻撃したと、ミャンマーの治安部隊がみなし、 軍事作戦を実施したため、約64万人のロヒンギャ少数民族が隣国のバングラデシュに避難している。ミャンマー治 安部隊や仏教徒による殺人や強姦、拷問事件が多発していると、次々と報道された。 国連はこの軍事作戦を「民族浄化」だと指摘し、ロヒンギャ問題を解決するよう、ノ ーベル平和賞受賞者のアウンサン・スーチー国家最高顧問をはじめとするミャンマー政府に要求している。しかし、 ミャンマー政府は、この軍事作戦は「武装集団に対する作戦」だと主張し続けている。 バングラディシュに避難した 64万人は現在、厳しい状況の中で生活を送っており、国連は緊急支援を国際共同体に呼 びかけている。ロヒンギャ問題に関連し、アウンサン・ス ーチー氏のノーベル平和賞撤回を求めており、イギリスの オックスフォード市はアウンサン・スーチー国家顧問兼外相に与えた名誉市民号を剥奪した。

5.性的暴行の騒動



 2017年は世界的に性的嫌がらせ問題が注目を浴びた。ハリウッドのハーヴェイ・ワイ ンスタイン映画プロデューサ ーの性的暴行に関する騒動が 10月上旬から波紋を呼び、アシュレイ・ジャッドやアンジェリーナ・ジョリーをはじめ数多くのセレブや女優が次々と告白し、性的嫌がらせと闘うよう、世界的に呼びかけている。ハリウッドのハーヴェ イ・ワインスタイン映画プロデューサーから始まった性的暴行の騒動が、米国の政治界 に広がり、合衆国議会の数人の議員が辞職している。





6.中国の特色ある社会主義の新時代突入



 10月18~24日、北京で開催された中国共産党大会では、 習近平国家主席は、中国が 「世界の舞台の中心に立つ」 べき「新時代」を迎えたと宣言した。毛沢東以来、「中 国の最強の指導者」だといわれている習近平国家主席が2 期目の指導部が正式に発足した。習主席の指導の下で、 中国は過去5年間、汚職と貧困と闘った結果、経済成長は世界平均より3倍の7.2%に上げ、6000万人を貧困層から抜け出させた。中国は2020年までに4000万人を貧困から救い出す目標を立てている。







7.科学技術分野における成功



 2017年に科学技術分野では成功に満ちた年になった。 その一つは人間の皮膚を作ることができる3Dプリンターが登場したこと。スペインの学者らは、バイオインク(BIOINKS)と呼ぶ人間の細胞由来の素材を使って、人間の皮膚の構造や機能を再現した組織を3Dプリンターで作製する。 表皮とその内側にある真皮、 真皮の構成要素でコラーゲンを作りだす線維芽細胞といった、皮膚の各構成要素を再現可能だという。 2017年のノーベル化学賞を、「クライオ電子顕微鏡法」と呼ばれる技術を開発しスイス、米国、イギリスの3人の研究者が受賞した。この技術によって、電子顕微鏡で原子モデルを構築できるほど高い分解能力で生体分子を捉えられるようになったのだ。「未知なるミクロの世界」への扉を開いた技術が、 どれほど革新的だったのかを解説する。世界のスマートフォン業界にAPPLEとSAMSUNG 社間の競争が続き、APPLE社は創立10周年を迎え、秋に 「IPHONE X」と「IPHONE 8」 、「IPHONE 8 PLUS」を発表した。APPLE社の発表によるとディスプレーを従来の液晶から有機ELに初めて変更し、画面の縁をほとんどなくして表面全体に画面を拡大するなどデザインを大きく変更。持ち主の顔を認識してロックを解除したり、決済時に本人確認したりする「フェースID」 も導入した。「IPHONE X」は 世界のスマートフォンの今 後10年間の発展を規定するという。なお、SAMSUNG社は「GALAXY NOTE7」の充電問題で国内外の市場から回収した が、今年、名誉回復のため、 「GALAXY S8」、「GALAXY S8 PLUS」、「GALAXY NOTE 8」を発表した。

8.大陸間弾道ミサイル (ICBM)搭載用の水爆実験



 北朝鮮は例年と同様に地域及び世界の安全を脅かし、核 実験とミサイルを次々と発射した。2017年に20回もミ サイルを発射したうち、2回 は日本領土を超え、太平洋に 向けて発射したのである。ま た、9月上旬に、水爆実験を 行い、これは同国の6回目の 核実験となる。この核実験に関連し、米国をはじめとする各国、国連安 保理が制裁強化決議を採択した。例えば、トランプ米国大統領は国連総会の一般討 論で、米国が「自分や同盟諸国を防衛するしかない状況に なれば、我々は北朝鮮を完全に破壊するしか、選択の余地はない」と述べた。これに対し、北朝鮮は核・ミサイル開発プログラムを引き続けると発表し、「米国領土のグアムに向けてミサイルを発射する」と脅迫した。

9. ロシア選手団平昌オリンピックへの参加認められず



 国際オリンピック委員会(IOC)は5日、国家ぐるみでのドーピングが指摘されているロシアについて、来年2 月に開催される平昌冬季五輪への参加を禁止すると発表した。ただしロシア選手については、「厳格な条件下」での 出場を認めるとしている。これはスポーツ界だけではなく、世界的に騒動を起こした出来事となった。





10. ロシア軍がシリアでの対IS勝利



 2011年から続くシリアの内戦では、バッシャール・アサド大統領率いる政権側の劣勢を転換させる上で、ロシアの介入が大きな役割を果たし、 シリアでの対過激派組織イスラム国(IS)勝利を宣言している。ロシアのプーチン大統領が、シリアを電撃訪問、ロシアの空軍基地を訪れ、プー チン大統領はロシア軍のシリア撤退を指示した。イラクのアバディ首相も、ISに対する最終的な勝利を宣言した。IS がイラク国土の約3分の1を制圧してから3年を経て、イ ラク軍が最後のIS要員を国内から追放し、シリア国境地帯を奪還した。