ソミヤバザル市長:27年後ようやく 首都ウランバートルの法律改正ができた
政治~法改正により首都は市債の発行とコンセッション事業実施が可能に~
7月8日の国会本会議で首都ウランバートルの法的地位に関する法律改正が採択された。この法改正により、首都ウランバートルは法的地位が自立するほか、市債の発行とコンセッション事業実施が可能になる。また、首都知事の役割と参加が増え、各省が閣議で首都に関するあらゆる議案を審議の際、必ず知事の意見を反映させるほか、知事も自ら意見書を提出し、審議させることが可能になった。これに関してドルゴルスレン・ソミヤバザル首都知事兼ウランバートル市長に聞いた。
――27年の経過で、首都ウランバートルの法的地位に関する法律改正が採択され、おめでとうございます。法律の具体的な規定は?
ありがとうございます。首都の法的地位に関する法律が27年前に初めて採択されたが、これまで基本的な変更はあまりなかった。当時、ウランバートルの法的能力、知事の役割と権限、予算と財源、人口密度、経済等は今日と比べられないほど異なっていた。当時の法律で現在のウランバートルを調整しがたい。よって27年後の今、この法改正ができた。新法は首都に住む150万人の市民に大きな社会的支援となる。これに従い、予算改革、独立した税法、数多くの新規雇用が創出されると期待されている。同法律の採択により19項目の関連法規も採択された。このように数多くの関連法改正の作業が進められている。
――市長が自ら審議案を内閣に提出できるようになりました。これが首都に多くの機会を与えられるようになったと考えますが?
これまで市長は審議案を政府に提出せず、いずれかの省を通して提出していた。市長は都市問題を自ら国会に報告しないため、全て順調のように誤解されがちであった。例えば、医療従事者の大半は首都ウランバートルに住んでいる。しかし、彼らの給料を上げることができない。このように多くの問題を調整できる法的能力を与えるのが同法の特徴である。例えば、各省が首都関連の議案を審議する場合、必ず市長から意見を受けるように規定されている。次に、市長が自ら議案を提出し審議出来るようになった。150万人の市民の利益を代表し、公衆事業、社会経済、予算、雇用創出、労働支援などで発言できるようになった。さらに、用地取得を国家及び首都の予算で実施できるようになった。これまではこのような具体的な調整はなかった。国は市民にとって最重要な道路、橋梁、インフラ整備、学校、幼稚園建設の資金を解決し、首都が用地取得資金を解決しろと言われる。 しかし、首都予算にはその資金はない。財務省はその建設資金を取り戻してしまう。同法により国会、政府、市役所の事業関係が良くなり、市役所が用地取得を実施することになった。これは大きな進歩である。
――外国人投資家にはどんな機会ができましたか。
首都ウランバートルの法的地位に関する法律は、ウランバートルの開発政策、財政、資金、対外債務による支援を目的に作成された。市の対外協力は新たなレベルに達するでしょう。ウランバートル市は、自ら大規模な事業を実施できる法的環境を整え、有能な人材を確保する必要がある。市債の発行やコンセッション事業の実施が可能になった。これにより人材改革を行い、有能な若者を雇うことが出来る。大規模な事業をスタートさせられる。2040年、2050年に首都ウランバートルの開発マップを見て、その将来のため大望を持って務めることが出来る。
首都ウランバートルの法的地位に関する法律改正は、来年の1月1日から執行される。それまでに市債の発行とコンセッション事業実施の準備を進める。そのほか、ガバナンスの構成、保健分野の支援など数多くの課題がある。このような社会、経済、市民に向けた正当な在り方を計画している。同法により、渋滞、公共交通機関の車両改革、道路のメンテナンス管理、サービスなど、市内の多くの問題が解決される。また、民間企業を支援することで健康で安全という条件を付けたうえで営業の許可を発行する必要がある。また、個人経営や企業の生産とサービスを支援する方針で準備を進めている。言い換えれば、政府からのプレッシャーが大幅に軽減される。次いで、財務力を強くすることで多くの新規雇用が創出される。今後、大規模な建設事業が始まる。インフラ整備も行われる。首都に前向きな新しい状況が訪れるでしょう。
――ウランバートル市には規則が制定されるというが、いつ、どのように作成し、どんな規定を取り入れますか。
首都ウランバートルには独立した規則が制定される。その規則は市議会で採択される。ウランバートル市開発担当臨時委員会の委員と協力し、規則を作成する。27年後に改正された同法はウランバートルでまったく新しい法律上の機会と基盤が築かれる。ロブサンナムスライ・オユンエルデネ首相が首都の開発を支援し、単一中心都市から多核多心型都市に移行させるため毎年4200億トゥグルグを予算化することになった。したがって、首都をより美化するために市民、市民社会組織、企業と協力し、官民連携を強化していく。
――首都開発の4200億トゥグルグでどんな事業を進めていきますか。
ウランバートルの収入は個人所得税とその他の税金で構成され、それらを国家予算に組み込んでいる。首都はオユトルゴイとほぼ同額の収入を得る。その資金を市内に残してほしいと要請した。したがって、ウランバートルへの投資と融資支援を目的で、政府は国家予算から毎年4200億トゥグルグ以上の資金融資を決定したのだ。この4200億トゥグルグは、交通渋滞だけに使うものではない。渋滞は、都市計画、公共交通機関、自家用車などさまざまな原因により生じている。渋滞の緩和に向けて分散型都市構造を目指すなどやるべきことが多くある。
大事業の一環として、第一に都内に高速道路を建設したい。そんな機会と解決策があると考えている。第二は地下鉄建設の問題が取り上げられている。我々は発注者として、まず設計会社とどのような地下鉄を利用するのか、深さ何メートルであるか等を
各企業と検討する必要がある。地下鉄はかかせないもので、資金調達の方法はある。また、国会議長、首相、閣僚および国会議員らと協力し、ウランバートルの渋滞を軽減し、分散化するための事業を開始した。
――どうもありがとうございました。