野生動物に配慮したフェンス基準に改定

自然環境
b.enkhtuya@montsame.gov.mn
2025-11-24 16:43:24

(ウランバートル市、2025年11月24日、国営モンツァメ通信社)ウランバートル市周辺で2018~2025年の間に、計44頭の野生動物が敷地内に閉じ込められたり、金網やフェンスに絡まるなどして死亡していたことが分かった。うち15頭は、モンゴル国の希少動物リストに掲載されているアルタイ・ワピチで、生態学的・経済的評価による損失額は1億トゥグルグ超に上るという。

こうした状況を受け、首都環境局は市内の別荘地や国の特別保護地域に設置するフェンスの新基準を策定し、2025年10月1日から運用を開始した。新基準で、フェンスの高さを1.2㍍以下とし、地表から45㌢の隙間を設けて小型動物が通行できるようにするほか、金属柵の隙間幅は7㌢と定めている。

首都知事室によると、ウランバートル市域には58種の哺乳類が生息している。近年、別荘地周辺で基準を満たさないフェンスが無秩序に設置され、野生動物が人間や野良犬を避けたり、餌を求めて移動したりする際にフェンスに挟まれたり金網に絡まって死亡するケースが増えているという。

市環境局のTs.ツォルモンバータル課長は、別荘地で居住または事業を行う住民や企業に対し、新基準に適合させるよう通知を送付。所有形態を問わず、すべての関係者が野生動物に配慮したフェンス基準を順守するよう呼びかけている。

同局は2018~2025年の間に約700件の通報を受け、約800頭の野生動物を救助して自然に返した。このうち約200頭は負傷しており、治療や保護を受けたという。