モンゴル文化情報センター代表バトチュナグ氏:モンゴルとの懸け橋に役立つ「モンゴル語検定試験」を発展させたい

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bolormaa@montsame.gov.mn
2021-12-07 12:32:36

モンゴルに興味をもち、モンゴル語を学びたいという人が増えている。モンゴルの言語や文化を紹介し、モンゴルへの架け橋となっている「モンゴル語教室ノタック」(任意団体)が実施する「モンゴル語検定試験」についてダシュデンベレル・バトチュナグ・モンゴル文化情報センター代表に聞いた。同試験は1120日に開催された。



 

「モンゴル語教室ノタック」検定試験はいつから始まりましたか?どんな目的でこの試験を行うようになりましたか?

――2019年から教室の生徒に向けて模擬検定試験を行っていた。2020年に一般向けとなり、教室以外の人々も参加出来るようになった。今年は春と秋に開催して2回目、3回目の検定試験が実施された。検定試験の目的は普段の授業テストと異なって、学習者のモンゴル語のレベルを測るために行い、年々改善されて来たのです。

この試験の構成、レベルは?

――より基準化するために改善しつつあり、現時点では4つのレベルから構成されています。初心者、入門、初級、そして中級レベルだ。簡単に説明すると初心者はまず文字や単語の読み書きができるようなレベル。入門者は基本的な単語からなる文章や質問がわかるような段階。初級者は日常会話ができるレベルで、中級者は専門用語が入った会話やある程度長い文章が理解できるようなレベルです。

主にどんな人がこの試験を受けていますか?

――教室には色々なバックグランドを持つ民間人が通っている。これまでは東京外国語大学モンゴル語学科の学生やモンゴルで留学している日本人の学生が受験していた。また、今ではウランバートルで起業している人々やJICA海外協力隊員の皆さんらが参加するようになっている。

受験者はどんな目的でモンゴル語を学んでいますか?

――教室の生徒の中には、モンゴルに一度旅行したことがきっかけで学び始めた人もいれば、今度旅行に行きたいので習いたいという人、また、趣味でモンゴル人の友達と会話したいという人もいる。他方、より専門的に勉強する学生、あるいは研究や業務のためにモンゴルで仕事する人たちも受験している。多くはモンゴル文化や伝統に興味があり、勉強している。例えば、乗馬が好きな人がモンゴルの草原で乗馬するためにモンゴル語を習い始めたこともありますよ。

これまでに何人が受験しましたか?何人が合格していますか?

――今までに合計で約100人ぐらいが受験した。試験には中級レベル以上の人が多く合格している。入門、初級者の受験は少なく、皆さん合格している。前回は初めて初心者向けテストを作った。

日本人がモンゴル語を学ぶときの長所と短所は何ですか?

――モンゴル語と日本語の構造が似ているので日本人はとても早く習得している。ただし、文化的背景が異なるので語彙の習得が大変だそうだ。また、モンゴル語の聴解が日本人にとってハードルが高いと言われている。特に難しい発音は「л」と「р」で聞き取りにくい。またモンゴル語を第3外国語として既に習得している英語、ドイツ語やフランス語に比較しながら勉強する人もいます。そんな方は経験を活かしてより早く習得しています。

今後の目的は?

――日本語など外国語で書かれたモンゴル語の教材が少なく、良い環境が整っていません。日本では英検、仏検などの試験がありますが、モンゴル語に関しては検定試験がない。そこで、私たちはこの検定試験をより標準的にするために頑張っています。

最近では日本語がわかるモンゴル人が多くなっているので、モンゴル語で話す機会が少なくなり、自分のレベルがわかりにくいという人たちが増えているようです。そのような人たちに検定試験が活用できたらと思っている。どんなスキルも自分のレベルを測ることができれば成長に繋がるので、今後はモンゴル語を学んでいる世界中の皆様が使えるようなシステムを作って行きたいと思っています。