コロナ禍歳出 3年間で11兆2000億トゥグルグ
経済
昨年、国家監査局は「新型コロナウイルスの感染防止と対処、社会・経済的影響の緩和に関する法律(コロナウイルス感染拡大防止法)」の実施、影響、成果結果及び関連各省庁の実施策や措置を含め監査を行い、調査報告書を作成した。内閣府、国家非常事態委員会(災害対策本部)、財務省、保健省、基準監督庁、警察庁、非常事態庁、各区の保健センターが調査対象となった。1月20日、国家非常事態委員会は調査報告書を公表した。コロナウイルス感染拡大防止法の実施を受け、モンゴル政府が講じた措置・対策費用は、2020年に4兆4000億、2021年に5兆2000億、2022年に1兆6000億トゥグルグとなり、合計11兆2000億トゥグルグ。内訳、37.9%は経済活性化、12.5%は雇用・事業の維持と確保、13.2%は医療提供体制の充実化、36.4%は収入支援に割り当てられた。
収入支援のための措置:
(2020年、2021年の合計予算:2兆6000億トゥグルグ)
•児童手当の一時増加に2兆1676億トゥグルグ
•厚生年金及び介護支援費の一時増加に2735億トゥグルグ
•遊牧民に「家畜の毛」報奨金に1749億トゥグルグ
•食料品引換券の一時増加に200億トゥグルグ
医療提供体制の充実化の措置:
(2020年、2021年の合計予算:1兆2000億トゥグルグ)
•健康保護及び感染防止対策に1兆100億トゥグルグ
•予防接種に1117億トゥグルグ
•準備体制費用に399億トゥグルグ
•義務教育機関及び幼稚園・保育園の食材を対象者(非所得者・低所得者)への配付に120億トゥグルグ
経済活性化の措置:
(2020年、2021年の合計予算:4兆4000億トゥグルグ)
•財政赤字を外国資金源から補填2兆1000億トゥグルグ
•光熱費、水道、廃棄物処理金の免除対策に2兆1000億トゥグルグ
•外出禁止令期間中の国民一人当たり30万トゥグルグ一時支給に9979億トゥグルグ
•食料品、医薬品、医療機器の関税と輸入品の付加価値税の免除に2026億トゥグルグ
•児童手当に1兆2000億トゥグルグ
•厚生年金及び介護支援費の一時増加に832億トゥグルグ
•閣議決定第410号により一部対象者の光熱費、水道、廃棄物処理金の免除対策に703億トゥグルグと報告された。
国家監査局の調査報告書を受け、サインボヤン・アマルサイハン副首相は「4回に渡る外出禁止令と行動制限が実施された。これらの実施策と措置、予防接種の充実化により最低でも230万人が感染、2-4万人の感染関連死亡を防止することが出来た。民間部門で24万の雇用が維持され、7万2000の新たな雇用が創出された。2021年、2022年の国家予算と健康保険基金のリスク基金により、26の小さな酸素工場が稼働され、30のPCR検査の医療機関が設置された」と有意義的な活用性を強調した。
モンゴル政府は、2020年4月29日、新型コロナウイルスの感染防止と対処、社会・経済的影響の緩和に関する法律を成立させるとともに、モンゴル国違反法などの関連法を改正し、同日から施行した。同法の主な目的は、COVID-19感染拡大の予防、対策、社会の健康保護、人権に対する一定の制限、関連する決定の緊急発出、社会及び経済への悪影響の抑制、特別規則による内閣の決定に関連する調整をすることである。とりわけ、政府は国内外の感染状況による経済への影響、雇用・事業・生活への影響を可能な限り緩和していく等のために必要な費用を盛り込んでいた。