モンゴルとトルコの大統領、記者会見を開催

政治
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2025-01-17 16:18:18

(ウランバートル市、2025年1月17日、国営モンツァメ通信社)オフナー・フレルスフ大統領はトルコを国賓訪問中である。フレルスフ大統領とエルドアン大統領は国賓訪問と公式会談の成果に関し記者会見を開催した。


フレルスフ大統領の演説の全文は以下の通りである。


尊敬する大統領閣下

尊敬する報道関係者の皆様


古代から歴史、文化、遺産の伝統的な関係にあるモンゴルとトルコの外交関係樹立55周年にあたり、尊敬する大統領閣下のご招請により、美しいトルコを国賓訪問したことを嬉しく思う。


私たちをあたたかく歓迎し、深い敬意を示してくださった大統領閣下、そしてトルコ政府、友好的な国民の皆様に心から感謝を申し上げる。


モンゴル国大統領の同国賓訪問は、モンゴルとトルコの国民の友好関係と協力の歴史に新たな一章を加え、両国の関係を戦略的パートナーシップに引き上げる特別な訪問となっている。


私たちは、アジアとヨーロッパを結び、地理的に独特な位置にあるトルコを「第三の隣国」および信頼できるパートナーと見なしており、両国の協力関係を全分野で着実に拡大・発展させることを目指している。


同国賓訪問の際、両大統領は過去55年間の協力関係の成果を強化し、さらに拡大・発展させ、国の発展、経済的な利益、投資増加に向けて互恵的なプロジェクトやプログラムを共同実施することを話し合い、意見交換を行った。


私たちの対話の結果「戦略的パートナーシップに関するモンゴル国とトルコ共和国の共同宣言」に両国大統領が署名した。また、教育分野での協力、青年・スポーツ分野での協力、医療・医学分野での協力に関する政府間協定および自然環境、鉱業、道路、輸送、インフラ、林業、法律などの各分野での協力に関する10件以上の文書に署名した。


トルコはモンゴルの貿易における主要なパートナーの一つである。両国の協力関係を経済的な観点から充実させ、2国間関係の象徴となる互恵的共同プロジェクトとプログラムを検討し、実施することに合意した。例えば、「新カラコルム市」、オルホン渓谷の観光複合施設などのプロジェクトの一環、建設と投資の部門でトルコ側と協力する意向を表明した。


モンゴルの「長期ビジョン2050」戦略とトルコの「トルコの世紀」開発戦略を連携させ、投資増加、輸出拡大、経済自由区域の発展、インフラ、航空輸送、鉄道輸送、物流、農産物、皮革、羊毛、カシミヤ加工の部門で互恵的協力を展開することで一致した。


気候変動、砂漠化、土壌劣化、食糧安全など全世界に直面している問題を克服し解決することは、私たちの共通の目標であることを強調し、「10億木の植林」全国運動の枠で協力することに合意した。林業分野での協力に関する文書に署名した。


また、全種類の輸送・物流部門での協力を拡大し、モンゴルとトルコの間で鉄道貨物輸送ルートを確立するための協定を締結し、トルコが発案・実施している「鉄のシルクロード」プロジェクトにモンゴルが参加する可能性について話し合った。


「食糧供給と安全保障」および「ホワイト・ゴールド」全国運動の枠でモンゴル国内産業の発展や先端技術の導入に関し協力することで意見交換した。トルコ国民と政府は過去30年間以上にわたり、両国の協力関係の前進と社会・経済の発展のために約2000億トゥグルグの資金を提供し、多数のプロジェクトとプログラムを実施してきたことにモンゴル国民は常に感謝している。


パンデミックや自然災害、地震などの困難な時期に、モンゴルとトルコの国民は協力し、保健や人道支援において連携してきた。従って、災害の被害軽減、災害対策、地震、森林火災への対応、救助活動、被害の除去、能力強化の部門で協力することに合意した。


モンゴルで実施中の「健康なモンゴル人」全国運動の枠で、保健と社会保障において、がんの罹患率と死亡率の減少とがん治療・診断の国立センター設立に向けて協力することに合意した。


歴史、文化、教育の分野での交流は、両国国民を結ぶ重要な架け橋である。オルホン渓谷におけるトルコ時代の歴史的遺物やトルコのヴァン県で発見されたイル・ハン朝フレグの夏季宮殿跡など私たちの歴史と文化のかけがえのない遺産を保存・保護・普及させ、学者・研究者と考古学チームの活動を支援し、学生奨学金プログラムを共同実施することで一致した。


同訪問の一環としてイスタンブール市で開催される「モンゴル・トルコ・ビジネス・フォーラム」に両国の多数の企業が出席することはビジネスマンや生産者らが協力し合う意欲と熱意を示している。


モンゴルの平和を尊重し、オープンかつ多角的で、独立した外交政策とトルコの人道的かつ慈善的な外交活動は、全世界の平和、安全保障、持続可能な開発、そして人類の幸福のために大きな貢献となることを確信している。


2国間協力関係の拡大・発展へのエルドアン大統領の貢献と努力が非常に重要な役割を果たしていることを強調したい。


尊敬する大統領閣下が近日中に古代からの歴史をもつ永遠の青空の国であるモンゴルを国賓訪問することに感謝の意を表す。両国国民の友好と友情が永遠に強化し、モンゴルとトルコの伝統的な歴史的関係と協力が永遠に繁栄することを願う。

ご清聴ありがとうございました。


エルドアン大統領の演説の全文は以下の通りである。


フレルスフ大統領閣下とその随行団をトルコで歓迎できたことを嬉しく思う。モンゴルから21年ぶりに大統領レベルで訪問しているフレルスフ大統領と同行している全代表者の皆様、トルコへようこそ。


私は近い将来、モンゴルを訪問することを希望している。昨年、トルコとモンゴルは外交関係樹立の55周年を迎えた。2004年に両国は関係を包括的パートナーシップのレベルに引き上げた。今日は、フレルスフ大統領と共に両国関係を更に格上げする決定を出した。


私たちは先ほど、戦略的パートナーシップの確立に関する共同宣言に署名した。同パートナーシップは、トルコとモンゴル、我が先祖の故郷、中央アジア、全世界にとって有益であると確信している。


また、教育、自然環境、青年、スポーツ、エネルギー、道路、交通などの多数の重要な分野で協力するため、両国の行政機関や団体の間での11件の文書に署名した。これらの文書は、両国関係の基盤を強化し、現在の協力を新たな段階に引き上げるであろう。


トルコは、モンゴルが実施予定の大規模なメガプロジェクトを基盤に、建設、インフラ、交通、国防、産業、鉱業、観光、農業、牧業などの分野に重点を置き、協力を拡大することを目指している。この一環、相互に投資を行い、共同プロジェクトを実施することを両国の民間企業やビジネスマンに呼びかける。


私たちは貿易額を1億㌦に到達させる最初の目標を達成した。しかし、これは私たちの実際の可能性から見て十分な成果ではないと考えている。本日の会談で貿易額の増加について話し合った。


両国関係の基本的な柱の一つである歴史、文化、人道的な協力を更に深化させることを確認した。1992年以降、トルコ政府奨学金プログラムに多数のモンゴル人が参加したが、今後も増加させることで一致した。


歴史的な遺物であるオルホン渓谷の石碑を共同保護し、2008年にフシュー・ツァイダム博物館を開館した。トルコ協力調整機構(TIKA)との協力により、トンユクク碑文を保護するための博物館建設工事を今年中に完成させる目標を設定した。


私たちは、二国間関係に加え、シリア、パレスチナ、ウクライナなど地域問題や国際関係についても話し合った。私たちは国際舞台での協力を継続し、それを国連や国際機関、地域機関の枠で強化することに合意した。


フレルスフ大統領と同行する代表団はアンカラ市で我が国の防衛産業を視察した。イスタンブール市でも視察が行われる。

訪問の一環、モンゴルを世界に宣伝する国立馬頭琴交響楽団がイスタンブール市で公演を行う。


フレルスフ大統領と同行する代表団はヴァン県を訪れ、2022年にトルコとモンゴルの考古学者らが発見したイル・ハン朝フレグの夏季宮殿跡を視察する。


私たちの決定は実を結ぶと確信している。ありがとうございました。