CITES第20回会議:モンゴル代表団が出席し希少種保護で意見交換
社会
(ウランバートル市、2025年12月2日、国営モンツァメ通信社)絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約(ワシントン条約)第20 回締約国会議が、ウズベキスタン共和国サマルカンド市で11月24日から12月5日まで開催されている。モンゴルから、自然環境気候変動省のT.バルジンニャム局長を団長とする専門家チームが出席している。
会期中、モンゴル代表団はワシントン条約(CITES)事務局のトマス・ドゥルイユ国内法制度担当官と会談し、モンゴル国が進める「希少動植物及びその由来製品の対外取引規制に関する法律」改正案について説明、意見交換を行った。
また、野生生物保護協会(WCS)のスーザン・リーバーマン国際政策担当副会長や米国魚類・野生生物局ブライアン・ネズヴィック局長、さらにロシア連邦自然資源・環境省、欧州連合(EU)、カザフスタン共和国森林・野生動物委員会の代表とも面会した。会談で、サイガ(タタールサイガ・モンゴルサイガ)の研究、協力体制、管理の取り組みに加え、先端技術を活用した標識付けや電子登録システムの導入などについて情報交換を行い、極めて希少な動物の保護に向けた国際協力の強化で一致した。
今回の会議はCITES発効50周年の節目にあたり、中央アジアでの開催は初めてである。世界180カ国以上が参加して、野生動植物保護の成果や課題、今後の方針について議論を交わしている。CITESのイヴォンヌ・ヒゲロ事務局長は、「サマルカンドは国際対話と協力の象徴であり、CITESの価値を体現している。私たちは50年間、国際取引による脅威から野生動植物の多様性を守ってきた。この理念は1975年の発効当時と同様に、今日でもより重要である」と述べた。

会議で、CITES附属書改定案についても議論され、種の保全管理、法執行における国際協力の強化、CITES戦略「ビジョン2030」の実施、各国の国内法整備の改善、保護に悪影響を及ぼす法的環境の改善などが検討されている。
CITESは1973年3月3日に採択され、1975年7月1日に発効。現在までに184ヵ国が加盟しており、野生動物の違法・無規制取引の抑制や、絶滅危惧種の保護を使命としている。条約は、国際取引を持続可能かつ管理された形で行い、希少種の過剰利用を防ぐとともに、加盟国間の協力体制を構築し、違法取引の抑制を目的としている。
Ulaanbaatar