「メイド・イン・モンゴリア」ブランド、シリーズ XI オブス・フーズ チャッツァルガナ

特集
41@montsame.mn
2017-12-12 13:32:17
  古き時代からモンゴル人の生活に定着してきた薬用果実  

 モンゴル人の生活に欠かせない木の実のひとつ、 チャッツァルガナは、健康に良いとされるその効能から「王様の果実」と 呼ばれる。
  モンゴル、中国、ロシア、 インド、ネパールや、ヨーロッパ、北欧の一部などに 自生するチャッツァルガナだが、1981年にはモンゴル人宇宙飛行士と共に宇宙を旅し て、「地球にとどまらない宇宙の食べ物」とも称された。 モンゴル人が初めて栽培を試みたのは1940年代のことだった。現在はオブス、ザブハン、ホブド、ボルガン、セレンゲ県の川沿いに生息し、4月末から5月にかけて花を咲かせ、9月初旬には実をつける。上記の地域の中でもオブス県のチャッツァルガナから 抽出する油や液体は他の地域 のものよりもビタミンCがずっと豊富だ。油分を含む木の 実のほとんどは種だけに栄養 分が含まれるが、チャッツァルガナの場合は果実のやわらかい部分に活性物質を含むめずらしい植物のひとつだ。チャッツァルガン油には、果実から抽出するものと、種子から抽出するものの二種類があ る。種子油は淡い黄色で透明 感があるのに対し、果実油は 濃いオレンジ色で独特の匂い がある。そんなチャッツァル ガナから、主にクリームや果 汁ジュースがつくられる。




   オブス県にはモンゴル国内 のチャッツァルガナの約40%が分布しており、古くからこ れを日常的に利用してきたモ ンゴルの人々は1970年に初めて同県で チャッツァルガナの栽培を始 め、「オラーンゴム」「チャンドマニ」「テス」といった品 種を開発した。チャッツァルガナ産業は社会主義時代に特に発達し、国内外の市場に進出していた。市場経済に移行したときに一旦は落ち込んだが、2010年に政府がチャッツァルガナ計画を実行したことで活気が戻った。
   オブス・フーズは75年続いた 歴史の中で、「オブス・チャ ッツァルガナ」ブランドを設立したことで、モンゴルの名を世界に知らしめた。今やモンゴルに同社の名を知らない人はいない。スイスのある研究所がオブス・チャッツァルガナの2品種から抽出した油分を調べたところ、モンゴル以外で栽培されたものよりも、 健康に特別良いとされるパル ミチン酸を2.5倍多く含んでい ることがわかった。これはオリーブ油よりも40%高い。こ の 研究結果を受けて現在、EUの地理的表示 に登録申請中である。
   1942年に「食物栄養工場」 という名前で出発したのが、 オブス・フーズの前身だ。 それ以来継続して生産を続け、1992年に国有企業となったが'97年に株式の51%を民営化、翌年に経営改革をし、社名も「オブス・フーズ」と改めて出発した。主力商品は100 %オーガニック・ジュース、チャッツァルガナ・クリームだ。 オブス・フーズは、2007年~10年にモンゴル政府、モン ゴル商業産業課から国内トップ企業100選に選ばれ、また同じ期間に地域や国内の各種展 示販売会でグランプリや各賞に輝いた経歴もある。ヨーロ ッパの国際試食コンテストで は「モリトィ・チンギス」(馬に乗ったチンギス)ブラ ンドで金メダルを獲得した。 同社の受賞した賞の数々は会社や幹部の功績ではなく、情熱を持った社員たちの心が成したものだと、L.ムンフナラン代表取締役とE.バータルサン専務の二人は何度も強調する。工場でも、畑でも、「本物の自然由来のナチュラル製品」というテーマ一筋にやってきた。モンゴルの名産品が 宣伝によらず、品質の良さで 知れ渡る日はそう遠くない。
本社記者:B.ザンダンフー