2019年、石炭輸出への期待は難しい

経済
naranchimeg199@gmail.com
2019-01-08 12:11:58

 2018年度は、モンゴル経済で様々な出来事があった。上半期だけの通貨流通高は32000億トゥグルグ。前年同期比1880億トゥグルグ増えた。年末にかけて経済成長率は6.4%に達すなど良い年であった。
 今年度は、銅や石炭の輸出が好調。好況基調は鉱業セクター成長及び経済全体へ重要な役割を果たした。

 経済構造を詳しく見ると、輸出の78.8%を鉱産物が占める。その41%(10月時点)は石炭だ。国は今年度およそ24億米㌦分の約3130万㌧の石炭を輸出した。次年度は、およそ4200万㌧の石炭輸出を計画。

 ただ、関係者らは、来年は今年度の成長基調を維持させるに少ながらずのリスクが伴う可能性がある、と指摘。主要輸出品である石炭の輸出が低調の可能性を潜ませるからだ。この1カ月で石炭輸出量は急速に減少し、石炭輸出の要衝となるガショーン・ソハイト検問所で通過車両と・石炭量は通常の7万㌧から7000㌧までに減った。関係者は、石炭輸出の急速な減少を、「安定的財政収入への支障が生じる可能性がある」と懸念を表明している。

 2016年に1.2%まで落ち込んだ経済成長は今年、伸び率6.4%まで上昇。就職率も3.1%上昇。これは、経済成長の実体経済への反映をさせる上で重要である。

また、昨年、アジア開発銀行(ADB)は「経済が確実に成長しているが、国民の貧困率は30%で、国が社会的弱者への救済に傾注すべき」と指摘していたが、今年も同様な助言を行った。今後3年の経済成長が実体経済へ反映し、中間層維持、新規雇用創出、積立投資などに向けて具体策を講じなければならない、と警告。一方、ADBは、成長加速に鉱業セクターに対する投資拡大、消費向け貸付に後押しされた内需拡大などが影響した、との見解だ。ADBは、2018年は6.4%、2019年は6.1%と経済成長を予想。さらに、モンゴル経済がリスクに対して依然として敏感であるために国際通貨基金(IMF)による財政支援プログラムを引き続き実施することが助言された。さらに、鉱業を原動の経済成長を安定させ、実体経済へ反映させるため、経済多角化や製造効率化に向けて環境づくりに関する方策実施を促した。

 一方、世界銀行(WB)は、2019年における国内総生産の伸び率を6.6%と予想。成長基調は、個人消費増加による内需拡大、鉱業及び産業セクターに対する投資増加に後押しされるという。また、短・中期において政治的な不確実、原料価格の下落、国境検問所での障壁などを起因に輸出減少が起きる可能性を警告した。

確かに、来年の経済情勢について、楽観主義に基づく期待はある。2019年度予算では、固定資産費用が60%、経常費用が10%拡張する可能性を、経済学者などの研究者らが明かにした。また、賃上げ、輸入拡大は為替レートや物価指数へ影響する形で、財政不均衡を招きかねないと懸念。その反面、モンゴル銀行(BoM)は11月、経済安定化及び物価上昇による圧力のない成長を目的に政策金利引き上げ措置を決定した。

いずれにせよ、2018年の経済指数は予想を超えるほどの良い結果であった。しかし、今年上半期で安定していた物価が年末にかけて急上昇し、次年度に物価上昇をもたらしかねないと国際金融機関が懸念を表明した。

鉱業セクターに大きく依存するモンゴル経済は2014年~15年にかけて、国際価格の下落を受けて失速した。その中で、農牧業の実質的な成長は当期経済に大きな役割を果たした。今年に現れた経済好調は国際通貨基金の財政支援プログラム実施、鉱物資源、特に石炭輸出好況の影響と説明される。

しかし、一つの品目と一つの取引先へ過剰に依存する経済構造を見直して、高付加価値品製造、第三の隣国との経済関係強化、海外技術のモンゴル移転などを積極的に行うべき、と関係者は語る。

 

本社記者:B.アリオンザヤ

 

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