日本の林芳正外務大臣がモンゴルを訪問
政治
バトツェツェグ外務大臣と会談
日本の林芳正外務大臣がバトムンフ・バトツェツェグ外務大臣の招請により4月30から5月2日にかけてモンゴルを訪問した。5月1日、両国の外務大臣の間で外相会談が行われた。両側はモンゴル・日本の現状を評価し、今後の活動目標について幅広い範囲で意見交換した。冒頭、バトツェツェグ外務大臣がモンゴルの「第三の隣国」、民主主義の基本的な価値を共有する日本の林外務大臣のモンゴル訪問は、モンゴル・日本外交関係樹立50周年の節目の年に行なわれていることを強調し、両国の戦略的パートナーシップ関係を更に強化し、協力の後押しになると期待感を表明した。これに対し、林外務大臣はモンゴル・日本外交関係樹立50周年に合わせ2022年を「モンゴル日本青少年交流推進年」として位置づけ、年間を通して様々な記念行事を催していることに満足感を示し、日本政府はモンゴル国との戦略的パートナーシップ関係を今後も深めていくことを確認した。バトツェツェグ外務大臣は日本政府がモンゴルの民主化以降の安定的な発展に対して一貫した支援を行っており、新型コロナウイルス感染症の困難な克服にもモンゴルを支援し、これに対し深く謝意を表明した。また、モンゴルの将来の発展には経済の多角化が必要であるとし、モンゴル政府が策定した「新復興戦略」の対象となる優先分野に日本の技術とノウハウ、投資を誘致する意志を伝えた。さらに、フシギーンフンディー地で経済自由区域と衛星都市の建設、褐炭水素発電所の建設などの方針で日本側と協力する意向を示した。
ここ数年、両国間の貿易量が増しており、これはモンゴル日本経済連携(EPA)の着実な成果だと両側は強調し、同協定の実施を更に強化していくための合同委員会の会議開催で一致した。さらに、両大臣は2017年~2021年の「中期行動計画」が着実に実施され、当初の目標が達成できたことを歓迎するとともに、新たな「中期行動計画」策定に向けた作業を加速化させることで合意した。両国は地域及び国際場裏で協力を進めてきており、国連及び他の国際機関での引き続き協力を推進すると共に東北アジア地域の安定と繁栄のためにも親密に連携していくことを確認した。会談後、両国の外務大臣は総額2億6300万円を限度とする無償資金協力「人材育成奨学計画(JDS)」に関する交換公文に署名した。同JDSプログラムは2001年にモンゴルで実施されてからこれまで360人の若手人材が日本の修士と博士課程に留学している。
モンゴル訪問中の林外務大臣が同日、ロブサンナムスライ・オユンエルデネ首相への表敬を行なった。会談の冒頭、オユンエルデネ首相は両国の外交関係樹立50周年の一環での林外務大臣のモンゴル訪問を歓迎し、新型コロナ感染症の厳しい時期にモンゴル国民へ予防ワクチン接種とワクチン備蓄に日本国が多大な支援をしてくれたことに謝意を表した。さらに首相は、過去50年間モンゴル日本両国の協力関係は二国間だけでなく、国際場裏にも急速に発展しており、政治、経済、文化、教育など様々な分野で積極的に協力していると強調した。両側は戦略的パートナーシップ関係の枠組みで両国の友好かつ親密な関係協力を新たな内容で豊かにし、モンゴル政府が掲げた「新復興戦略」の経済的な優先分野への投資誘致、ノウハウと最新技術を根付かせ、フシギーンフンディー地で建設する経済自由区域と衛生都市の計画などの課題で意見交換した。これに対し、林外務大臣は両国の友好関係の更なる発展にはハイレベルの相互訪問が重要であると強調し、昨年の東京オリンピック開会式へのオユンエルデネ首相の出席に改めて謝意を表明した。
双方は、モンゴルと日本の友好関係と協力の50年の歴史を振り返り、戦略的パートナーシップ関係を強化し、経済協力を更に拡大し深め、地域の平和と繁栄のための積極的な協力で一致した。この日、林外務大臣は、日本式教育普及に注力する新モンゴル日馬富士学園を視察するほか、日本語を解する若手モンゴル人実業家等との交流に参加し、日本人抑留中死亡者慰霊碑も訪れ、献花を行った。
会談後、林外務大臣は日本の円借款を活用して建設されたチンギスハーン国際空港を視察するとともに、本年の日本・モンゴル外交関係樹立50周年を記念し、ロブサン・ハルタル道路・運輸開発大臣と共に植樹を行ってから、帰国の途に着いた。