モンゴル交通開発銀行の東京事務所が開設、両国の金融架け橋への期待が高まる

経済
b.undrakh@montsame.gov.mn
2023-04-14 17:48:17

47日、東京・丸の内のプライベートクラブ「OCA TOKYO」にてモンゴル商業銀行の一つであるモンゴル交通開発銀行(Trans Bank)が東京駐在員事務所を新設し、その開所式が盛大に開催された。モンゴルからは同行のバトボルド・エネレル頭取、ボルマグナイ・ムングンシャガイ副頭取も来日。参加した日本のメガバンク、証券会社、地方銀行、中小企業オーナー、個人投資家の面々と挨拶をし、モンゴルへの投融資について理解を求めた。


 同行の東京駐在員事務所の所長には、元SMBCウランバートル事務所の初代所長を務め、その後、モンゴル貿易開発銀行(TDB)東京事務所長を歴任した内田肇氏が就任することとなった。内田所長は挨拶の中で、「モンゴルへ進出した邦銀メガバンク二行が撤退することとなり、日本とモンゴルの間の『お金の架け橋』がなくなってしまった。今や、日本に拠点を構えるモンゴル商業銀行の駐日代表事務所として、新設されたTrans Bank東京事務所の存在意義は重要になっている」と語った。

Trans Bankは富裕層取引に力を入れており、来賓代表挨拶に立ったSMBCプライベートバンキング営業部の高橋克周本部長は、その挨拶の中で「モンゴルという日本人にとって親近感のある地場商業銀行の駐日事務所に、SMBCの卒業生である内田所長が就任した。SMBCグループの総力を挙げて、応援していきたい。SMBCと取引のある日本の富裕層へ対してモンゴルでの投資機会を紹介していきたい」と力強いエールを送った。



 

 当日の宴会はモンゴルの伝統音楽である馬頭琴の演奏から始まり、同行のエネレルト頭取はその逐次通訳の中で「モンゴル金融市場を良く知る数少ない日本人バンカーが、Trans Bankに加わってもらえたことは非常に心強いこと。Trans Bankはモンゴル金融セクターの中でも急成長を遂げている銀行であり、優秀な人材はこれからも必要。先進国の金融セクターからの優秀な人材に活躍してもらえる舞台を数多く用意したい」と、これからの海外からの人材獲得に意欲を燃やした。

同行のエネレルト頭取は、来日中にSMBCの国際部門のトップである大島副頭取、旧メリルリンチ(BofA)証券の会長で元SMBC国際部門のトップ、箕浦上席顧問、更にシティグループジャパンの会長で、元SMBC投資銀行部門のトップ、藏原会長など、日本の金融セクターをリードしてきた重鎮の数々と面談をこなし、モンゴル金融セクターの健全な発展と同行の持続可能な成長についての薫陶を得た。また証券会社やアセットマネジメント会社、フィンテック企業などとも面談をこなし、新しいファンディングスキームの構築を期している。


 東京事務所では、すでに日本全国の富裕層を中心に相対的に高い利回りが見込まれる同行の定期預金への預入れの相談が殺到している。特に口座開設希望者にとって煩雑な手続きが必要になる口座開設やモンゴルへの郵送については、同行関連のコンサル会社が事務手続きを代行していることが評価されているようだ。