英国の有名企業で活躍するデザイナーD.エンフツエツエグさん:好きなものしていけばいくほどもっと夢中になる

特集
gombosuren0625@gmail.com
2021-03-01 10:20:34

 世界ファッション業界の有名な企業である英国のステラマッカートニー(SMCC)でソーイングマスターとデザイナーを務めるD.ヱンフツェツェグさんにインタビューした。彼女はハリウッド俳優をはじめ、世界で大人気の芸能人の衣装を作るとともに、最近は、自分の「Enka Couture 」ブランドを創設した。

 ――競争の激しいファション業界に足を踏み入れ、ヨーロッパファッションの中心地であるロンドンで活躍しているヱンフ ツェツェグさんのお仕事についてインタビューを始めようと思います。

 ご招待ありがとうございました。最初は縫製技術者として小企業に就職しました。その後、数多くのアパレル会社に務め、経験を積みました。ある時、ステラマッカートニーから仕事のオファーが届き、今では世界的に有名な芸能人たちの衣装を作る同僚とともに働いています。現在、パリ・コレクションに焦点を当てています。

 ――ファッション分野に特別興味を持ったきっかけは何でしょうか。子どもの頃は捜査官になる夢を持っていたと聞きました。

 捜査官になりたいと思うほ か、海外へ留学したいという希望が何よりも強かったです。1980年代のモンゴルでは、好きな専門で留学するチャンスは少なかったです。中学校卒業後、成績が優秀な生徒10人の一人となり、キルギスタン大学で縫製技術を学ぶことになりました。帰国して、シルメル・ザグ バル社に縫製技術者として勤務しました。90年代にファッションテレビをよく見ていて、ファッションに夢中になっていまし た。そこで、ロンドン芸術大学ロンドン・カレッジ・オブ・ファッション(LCF)でデザイナーの学士号を取得しました。当時、大変なことがたくさんあって、ファッションの仕事が出来 ないのではないかと心配して、諦める時ありました。しかし、就職して、好きなことをしていけばいくほど、もっと夢中になっていきましたね。

 ――LCFを卒業後、何回も不採用となり、様々な仕事をしていたのですね。ヱンフツェツェグさんにとって人生の転機は何で したか。

 素晴らしい質問ですね。人間は自分の好きなものをしたいとしたら、何でも乗り越えられます。ロンドンで大学を卒業した 後、デザイナーの仕事が見つからなくて、朝はクリーニングで服を洗濯する、アイロンかける仕事をして、夜はパブで働いていました。生活費を稼ぐために見つけた仕事をしていました。こんな状況に負けず、デザイナーの仕事を探し続けました。結局、裁縫技術者としてキャリアに進んだのが私の人生の転機でした。21世紀に、製布技術が急速に発展しており、様々な布が生産され、より多くの才能が必要となっ来ています。例えば、布地の扱い方と風合、布地のはめあいなどの縫製マスター技術を学ぶことで、デザインが簡単になってきました。裁縫技術者として務めたのは私の正しい選択でした。

 ――英国へ行ってから、もう20年が経ったのですね。この間、ヱンフツェツェグさんの人生にたくさんの変化があったと思います。初めて、ロンドンに来た時を振り返えれば...。

 初めてロンドンに来た時 は、知り合いは一人もいませんでした。最初の一年は大変で、お母さんにお金をもらい、家賃を払う時もありました。その後、仕事にもつけて、すぐ慣れたのです。本当 に多忙な日々でした。早朝、語学クラスに行って、昼はレ ストランでウェイターとして働いていました。週6日勤務で、3年間このレストランで 働き、マネージャーまで上りつめました。突然、「いつまでこの仕事をするの」という考えが浮かび、忘れてしまった夢を思い出し、前向きに頑張っていこうとLCFに入学しました。最初、ロンドンに来た時、今のような自分を想像もしていませんでした。

 ――有名人と一緒に働くことをどう思いますか。

 彼らから学ぶことは何でしょうか。人ぞれぞれです。優しく、謙虚な人、鼻が高い人など数多くの芸能人と会いました。全ての芸能人は我々と同じような人間です。彼らから学ぶことはタイムマネージメントとコミュニケ ーション能力です。芸能人であろうが金持ちであろうが謙虚な姿勢を持っていくのは一番大切な事ですね。

 ――最近、自分の「Enka Couture」ブランドを創設したのですね。このブランドの特徴と今後の目標について。

 Enka Coutureブランドは、記念行事用のユニークな衣装を作ります。また、英国製で、オーダーメイドのドレスの注文を受け、製作しております。私のブランドの目標は、モンゴルの国家刺繍をヨーロッパスタイルにし、モンゴルで独自のブランドを生み出し、母国の女性たちに提供することです。 さらに、モンゴルで支店を開き、若者に今までの経験を共有することです。

 ――世界ファッション業界にヱ ンフツェツェグさんのようなモン ゴル人はいますか。芸能人たちはモンゴル人というと我が国をどのように想像してますか。

 たくさんいると思います。英 国で数多くの外国人が活躍しているため、出身についてはほとんど聞かないです。1回、2回聞かれたことがあり、「こんな遠 い所からここで何をしていまか」と冗談を言われたことがあります(笑)。

 ――ヱンフツェツェグさんについて2020年はどんな年でしたか。

 現在の主な仕事は何ですか? 現在、2022年の秋冬のファッション制作に努力しています。コロナ禍の影響でSMCCの仕事が少なくなり、芸能人の衣装を作るのは一時停止した状態です。一方、自分のブランド開発に集中し、十分な時間を費やしています。

 ――就職の経験を若者たちにシェアしてくれれば幸いです。ファッション業界を目指す若者たちは、何を身に付けたらいい でしょうか。

 若者たちに対して言いたいことは、何かをする時も心を込めて常に新しいものを探っていけば良いと思います。ファッショ ン業界に活動したい方は縫製技術の知識を持っていて、裁断できる事が重要です。英国でデザイナーを専攻する若者は多いですが、ソーイングマスターとして勉強した人々は未だに少ないです。一生懸命頑張った人だけが成功します。

――ありがとうございました。