モンゴル翻訳者・通訳者全国フォーラムが開催
社会(ウランバートル市、2024年9月12日、国営モンツァメ通信社)9月30日、政府庁舎で第1回モンゴル翻訳者・通訳者全国フォーラムが開催される。
モンゴル大統領府、モンゴル国立大学、国営モンツァメ通信社は同フォーラムを共催する。
フォーラムの開催準備作業の枠内で翻訳業界の団体や市民による討論が行われ、意見が集約されている。 9月6日、7日、10日に「翻訳業界の問題」、「翻訳者・通訳者のスキル」、「翻訳作業の品質と基準」、「翻訳業界における開発と解決策」をテーマにした討論が開催された。9月12日、翻訳者・通訳者の倫理に関する討論が行われる。
同フォーラムについてシャグダルスレン・エグシグ・モンゴル国立大学准教授兼翻訳者・通訳者資格評価センター長に話を伺った。
ーーフォーラム開催の目的は何であろうか。
モンゴル国立大学の研究者らが同フォーラムの開催を発案した。モンゴル国立大学で翻訳者・通訳者資格評価センターが開設された。同センターの目的は翻訳者と通訳者の能力を調査することであり、また、世界に遅れを取らず、共に歩むように注意を払うことである。
翻訳の品質が社会で議論される。国民は批判するが、解決するための措置を講じない。その他、2021年以降の調査によると、モンゴルの翻訳者・通訳者の能力は世界水準を下回る。特に、戦略的能力または翻訳者・通訳者の多数のスキルを調整する能力が低いという調査結果が出た。これを直す必要があり、翻訳者・通訳者自身が国家レベルで討論する必要がある。このような理由で全国的に討論すべき時期が到来したと思う。
ーー翻訳が不十分になる理由は何であるか。
母国語と外国語の十分な知識があってからこそ質の高い翻訳と通訳が可能になる。翻訳・通訳が不十分になる理由の1つは、母国語教育の質が低下したことである。また、外国語能力を評価する制度もない。従って、翻訳者・通訳者の能力向上を取り扱う時期がきた。
ーー人工知能が翻訳者・通訳者を代替することは可能か。
翻訳業界は世界的に存在している。同業界の動向は機械翻訳・通訳であり、機械翻訳・通訳が主流になりつつある。従って、世界と歩調を合わせるために大学生に知識を提供しなければならない。モンゴル国立大学は、人工知能やコンピューター、機械などによる翻訳・通訳に関する知識の提供を目指し、カリキュラムに取り入れた。
国際翻訳家連盟(FIT)がある。同連盟は毎年スローガンを立てる。今年のスローガンは興味深いものである。過去の優れた翻訳作品の著作権を保持するにはどうすればよいか、この問題の解決方法は何か、というスローガンである。これは、人工知能が引き継いだ場合、過去の優れた翻訳作品がどうなるかに注目を払ったことであると思う。
ーーモンゴル翻訳者・通訳者全国フォーラムにどのように参加できるか。
興味のある方なら誰でも討論に参加できる。討論に参加できない場合は、参加する別の機会が与えられる。それは、アンケートに記入し、オンラインで提言を送信することである。
ーー同フォーラムの意義は何であるか。
翻訳者と通訳者の社会問題とは何か、自らのスキルをどう見ているか、翻訳作品の品質と基準はどのレベルにあるか、今後同業界の発展はどうなるかという課題に対し解決策を決定する。これら課題に関して事前協議が行われる。翻訳者が直面している問題について、全国レベルで議論する。問題に対するアイデアや解決策があれば政府に報告し、翻訳者・通訳者の宣言を発行する。また、他の提案を提出する機会を与え、主要な問題を解決する方法を決定する。