日本人抑留者の苦役跡地、「ノゴーン・ノール」児童公園で学生たちが植樹

社会
dashtseren@montsame.gov.mn
2019-05-14 20:22:31

みなさんは、「ノゴーン・ノール」(緑の湖)という児童公園をしっていますか?

ここはチンゲルテイ区12ホローの小高い丘の上にあってウランバートルの街が一望のもとに見渡せる(UB中心部からバスで20分)。戦後、日本人の抑留者が厳しい岩崖と戦いながら石切りをした現場の遺跡場だ。岩を削り、砂利を作り、スフバートル広場に敷いたり、政府庁舎やオペラ劇場などの建材に使用したりした歴史を持つ。この区の住民であるウルジートクトフさん(42歳)が、日本人抑留者の記録を保存し、長年かけて児童公園に様変わりさせた。春は花が咲き、池にボートを浮かべて遊ぶ子どもたち、冬はアイススケート場として、今では地域住民に愛され、四季折々に利用されている。 

このほど、ウルジートクトフさんの呼びかけに応じて、 モンゴル桜の苗木を植樹する活動に、学生ボランティアたちが参加した。「日本の都道府県の数47本を記念植樹したいと思って」と、ウルジーさん。この日、参加した学生はモンゴル国立大学法学部・名 古屋大学日本法センターで日本の法律を学ぶ学生6人で、全員が移動図書館「ガゼル文庫」(近 彩主宰)の「読み聞かせ」メンバーだ。文庫では、隔週の土曜日ごとに日本の絵本を読み聞かせし、ゲル地区の子ども施設や孤児院、障害をもつ子どもたちを対象 に行っており、すでに18年の活動歴がある。

「今日は、文庫活動の一環として参加しました。シャベルを持ち、土作りから、植樹、水撒きなど、日頃やらない仕事でしたが、日本人とゆかりのある場所だと知って、意義を感じた」と学生たち。 最後に、池のボートに乗って遊び、「ああ、楽しかった! また来たいね」と充実感を味わっていた。