「草原の光」メディア展が開幕

カルチャー
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2025-06-09 15:13:35

(ウランバートル市、2025年6月9日、国営モンツァメ通信社)6月8日、ウランバートルのチンギス・ハーン国立博物館にて、「草原の光」メディア展が開幕した。
本展は、現代文明と国際史を結びつける試みとして、5点の古典絵画を最先端のデジタル技術で再構築し、各ピクセルに新たな意味を吹き込むという、他に類を見ないコンセプトで構成されている。

出展アーティストのイ・ナム氏は、メディアアートを専門とする韓国の先駆者であり、2016年の釜山ビエンナーレにおいて、GoogleのTilt Brush技術を用いたバーチャル・リアリティ作品を発表した最初の韓国人アーティストとして知られている。

過去、ベルギー、中国、フランス、カタール、シンガポール、イギリス、米国など、世界各国で800回以上個展およびグループ展を開催してきた同氏は、国境や国籍を超えて人類がひとつに結びつく現代社会を描き、自然の美と生命の光を表現することを創作のテーマとしている。

なかでも注目を集めるのが、19世紀末の韓国の自然を描いたキム・ハジョンの『海と山の画帖』に着想を得た動く映像作品である。会場全体を包み込むこの多層構造の映像インスタレーションは、鑑賞者に自身の原風景や故郷の記憶を呼び起こすように語りかける。

また、《韓国とモンゴルの光》という作品では、韓国とモンゴルから見える太陽や月の姿は異なるが、それらを照らす光の源は同じであるという思想が表現されている。
夕陽や月光にまつわる作家自身の記憶に加え、アジアの自然を詠んだ詩「ふるさと」から着想を得て、時間と空間を超えたつながりを表現している。

「草原の光」展は、6月20日まで「ウランバートル・ビエンナーレ2025」の公式プログラムの一環として開催される。