バトトルガ大統領、ウラジオストク訪問3度目の「東方経済フォーラム」

経済
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2019-09-17 15:36:42

 ロシア極東への投資促進、アジア太平洋地域協力加速化を図る国際会議「第5回東方経済フォーラム」が4日、極東ウラジオストクで6日までの日程で開幕した。ウラジミール・プーチン大統領、ハルトマー・バトトルガ大統領、安倍晋三総理大臣、インドのナレンドラ・モディ首相、マレーシアのマハティール・モハマド首相の各国首脳をはじめ、40カ国の関係者らが出席した。

ザルビノ港の石炭輸送

 ターミナル開発、始動へ5日、バトトルガ大統領はロシア最大複合輸送会社フェスコのアレクサンドル・イソーリン会長と実務会談を行い、ザルビノ港における輸送ターミナル開発事業について報告を受けた。冒頭で、イソーリン会長はエルデネス・タワントルゴイ公社との共同開発を進める輸送ターミナル開発事業に対する理解と協力に感謝の意を伝え、同案件のF/S調査が終えたと報告した。フェスコがまとめた事業可能性調査によると、開発事業は第1段階として2022年を目途に年間600万㌧の石炭輸送を可能なターミナル建設をし、第2段階として2024年を目途に年間1000万㌧までに拡張していく計画である。

日本とインドの首脳らと相次いで会談

 5日、訪問先のウラジオストクで、バトトルガ大統領は安倍晋三総理大臣、インドのナレンドラ・モディ首相と相次いで首脳会談に臨んだ。

 バトトルガ大統領は安倍晋三総理大臣と首脳会談を行い、両国関係と協力促進について協議した。大統領は、安倍総理に対して「ウラジオストクで3回目にも会えて嬉しく思う」と語り、今後、経済関係を重点に関係促進を図りたいとの意向を伝え、経済協力に関する事業案を手渡した。さらに、大統領はエルデネス・タワントルゴイ社とフェスコ社が共同で石炭輸送ターミナルを建設する開発事業に触れ、「輸送事業が軌道にのりつつあるため、今後、日本と石炭輸出について実務的な協議を始めたい」との考えを示した。これに対し、安倍総理は事業案を検討することを約束し、タワントルゴイ炭鉱について関心があることを伝えた。安倍総理は、モンゴルと米国がその関係を戦略的パートナシップへ引き上げたことについて祝辞を述べ、それは日米モの3カ国協力構築の基礎となると強調した。一方、インドのモディ首相との会談では、両氏は協力関係と今後の展望について意見交換した。

 バトトルガ大統領はモディ首相の2015年の歴史的訪問を機に、製油所開発事業が加速し、両国が経済協力促進に向けて取り組んでいると語った。モディ首相は、貿易と経済関係を推進させる重要性を語り、バトトルガ大統領によるインド訪問でより建設的かつ実務的な内容に踏み込み、両国関係を一層深めたいとの意向を伝えた。両氏は地域及び国際情勢、安全保障について意見を交わした。

バトトルガ大統領全体会合で演説

 バトトルガ大統領は5日の全体会合で、「このフォーラムは極東地域の繁栄のみならず、アジア太平洋地域諸国間の経済協力促進に向けて重要性を増す。ここはもう各分野でのトップが集結し、その意見を交わし合い、交流を楽しむ場となった」と述べ、「モンゴルは内陸国。だからこそ、ロシア・極東にある港はわが国にとって世界と貿易・経済協力の拡大、投資促進を図るという重要性がある」と話した。さらに「モンゴルはユーラシア地域諸国と貿易拡大と経済協力促進を図り、自由貿易協定の可能性を探っている。

 関税障壁と非関税障壁の撤廃と経済協力を存分に活かすために自由貿易協定に意義がある」と訴え、「モンゴルは地域経済統合へ積極的に関わっており、輸送インフラ整備を中国とロシアに連動させるため、モンゴル・ロシア・中国の3カ国経済回廊構築を推進している」と語った。大統領は昨年、提案したアジア・スーパー・グリッド構想について「モンゴル側はこの1年間、独自の研究調査を終えて地域及び国際的な取り組みを始めた。エルデネス・モンゴル公社とロシア・ロッセティ社が当該分野での協力に向けて協力覚書を締結した」と発言し、「北東アジア地域には、4つの電力消費大国がある。モンゴルはこれらの国にとって安価かつ安定的な電力供給国になれる。

 最終的にそれぞれの国の人々は安価な電力にアクセスする意義がある」と事業の可能性を主張した。さらに、大統領はロシア産天然ガスの中国向け配給パイプラインのモンゴル経由について「プーチン大統領が賛同した。中国側も検討を約束した」とした。結びに、大統領は「信用に基づく協力関係こそ、我々が望む展望だ」とその演を終えた。