ヒョウの頭数約953頭に達した

社会
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2021-04-07 11:05:12

 世界自然保護基金(WWF)モンゴル事務所の提案により、モンゴルヒョウ保護基金、国際ヒョウ保護基金、科学アカデミー生物研究所が協力し、2017年にヒョウの分布図と個体数を明らかにする幅広い現地調査を開始した。調査の結果、モンゴルアルタイ、ハンガイ、サヤンの 山脈をまたがる32万8000平方㌔にわたって生息しているヒョウの頭数(ユキヒョウは除く)は、約953頭に達したことが分かった。この調査にはモンゴル国立大学の学者、研究者、国立公園の自然保護官、地方の住民等、約500人が一丸となり40回の現地調査を行った。ヒョウ は中央アジア12ヵ国で生息しており、この12ヵ国政府間で締結された「世界のヒョウ、その生息環境保護」プログラムで世界的に分布されているヒョウの頭数、分布図を作成する目標を立てた。ヒョウは最も標高が高い場所や隠れた場所に住むため、現地調査を実施するのは簡単ではない。そのため、この調査では、ヒョウの足跡追跡研究、生息域での自動撮影カメラ、生息環境のモデル化、GPS搭載の首輪が付けられヒョウの移動による生息地確認、地方の住民を対象としたアンケート調査などの方法を使用し、データを収集した。その結果、モンゴルはこのような新しい方法を活用 し、広域でヒョウの現地調査を行った初の国となる他、ヒョウの頭数でも世界第2位になった。

 WWFモンゴル事務所の専門家B.ガントルガ博士は「ヒョウが生息可能な10県の40 万6800平方㌔に足跡追跡研究を、合計29山で自動撮影カメラを用いた研究をそれぞれ実施した。この調査は膨大な計算と科学に基づいた重要な研究であり、この調査を行った 結果、ヒョウが危機に瀕している場所で保護活動などに取り組む機会が設けられる」と語った。また、自然環境・観光省のP.ツォグトサイハン動植物資源局局長は「今回の調査結果に基づいて高山帯の生態系や生物多様性を保護する 副プログラムを実施することが可能になる」とした。

 ヒョウは自分の縄張りを作り、基本的に単独で暮らす動物である。2年に、2~4匹の赤ちゃんを生むが、全ての赤ちゃんが成獣のヒョウにはなれない。ヒョウの赤ちゃんは1.5~2年間、母親と暮らしてから、自分の縄張りを探しに行く。オスヒョウの縄張りはメスより大きく、広さはおよそ100~400㌔である。また、自分の縄張りの範囲をきちんと決める。ヒョウは高山帯の生態系に欠かせない食肉動物である。山でヒョウが生息することはこの山の生態系が健全であることを証明する。野生ヒツジ、アイベックスなどの動物、珍しい植物など、生物多様性生存もヒョウと深く関わっている。