トナカイは季節により目の色を変える

特集
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2020-03-06 11:21:44

 過去30年間、ロシアのヤクートで研究しているモンゴル科学功労者、ロシア伝統医学功労者B.バーサンスレン氏にインタビューした。彼はフブスグル県で飼育しているトナカイとヤクートの野生トナカイとを比較し、形態学、解剖学、組織 学、生理学の側面から深く研究している。

 ――1992年からトナカイに関する研究に励んでいますね。この動物を研究するきっかけについてお話ください。

 5歳の時、D.ダムディン力士と一緒フブスグル県へ行き、トナカイを初めて見ました。これ以降、この動物に興味を持ち、フブスグル県で飼育しているトナカイの食事の種類、内臓、構造、解剖学、牧草地を含めて全ての側面から徹底的に研究し、北極圏トナカイと比べてみました。他国の学者と協力し、ヤクートの野生トナカイを形態学、解剖学、組織学、生理学の側面から深く研究しました。

 ――2つの異なる地域に生息しているトナカイの違いは何ですか。

 トナカイが生息する生態環境、食べている植物の生化学的特徴、土壌中における農薬の状態などを比較してみました。本研究によると、ヤクートの野生トナカイの筋肉組織のタンパク質含有量が他の動物より高いのが明らかになりました。さらに、これらのトナカイ生息地はエネルギー源であるグリコーゲンが豊富でした。主に薬草を食べますので、トナカイ肉には有効成分が大量に含まれて、非常に低いカロリー(100㌘肉で160㌍)です。栄養分と消化性も超高いです。動物をあらゆる角度から研究するのに役に立つ、ユニークな研究をし、主要な本を国内外で出版しました。

 ――何年間、トナカイを研究していますか。一番興味深いことは何ですか。

 この研究に25年間かかり、研究結果をまとめた本を出版しました。トナカイの糞をはじめ、すべての内臓を医療に利用します。トナカイは350種類の薬草を食べます。野生のトナカイは牛、羊のように草をすりつぶさないで、薬草を引き抜いて食べるのでトナカイの歯と歯の間に隙間がないです。さらに、季節により、トナカイの目の色が変化します。5月20日~9月10日間、トナカイの目の色は金色となり、9月10日以降、北極で3ヶ月間、太陽が出ないで、極夜が続く時、目の色は青くなります。野生トナカイの体は太いけど、脂肪分が少ないです。また、トナカイの鼻粘膜が薄いため、さまざまなウイルスが感染しないです。トナカイの舌はビタミンが豊富です。このように話しきれないほど面白い事実があります。

 ――個別的に研究を進めていますか。

 私はモンゴル科学アカデミーに所属しています。また、ヤクート科学アカデミーから給料をもらっています。2003年にD.アマルガンバータル教授の指導の下で、生物学の博士号を取得しました。

 ― ― ヤクートのマイナス60-70度の寒さの中で研究するのは大変だと思います。今までの自分の活動については。

 私は5歳から、ガンダン寺院のゴンボジャブ大僧正にキリル文字を教えていただき、それ以降、数多くの優秀な学者に学問の喜びと面白さを学びました。また、チベットで伝統医学を勉強しました。若い頃は、サイクリング選手でした。1975年に、第4義務教育学校で体育の教師を務めた経験もあります。その後、1992年の秋、46歳で、仏教経典に書かれたトナカイについての資料を深く研究し、次世代へ伝承するため、ヤクートへ行きました。ここで28年間住み、今夏、70歳の長寿を迎えます。

 ――ありがとうござしました。いつまでもお元気で。