O.ガンジグール:筆で気分転換
インタビュー
(ウランバートル市、2025年3月8日、国営モンツァメ通信社)今年は28回目の「モンゴル縦文字競書大会2024」国際コンテストが成功裏に開催された。「モンゴル縦文字競書大会2024」コンテストは、国際規模での開催が2回目となり、約1200人が作品を応募した。その中に、中国・内モンゴル自治区やロシア・ブリヤート共和国のモンゴル書道家たちの作品も含まれている。同コンテストの「美しい筆跡・書道」種目で1位を獲得したO.ガンジグール・モンゴル国立教育大学の教師ーモンゴル語・文学4年生のガンジグール氏に話を伺った。
--同コンテストに継続的に参加し、今年、順位を上げておめでとうございます。『モンゴル縦文字競書大会』コンテストへの参加は何回目ですか。
『モンゴル縦文字競書大会』コンテストに、中学校の9年生と10年生の時から参加し始めた。継続的に努力した結果、2023年と2024年に受賞できたことを嬉しく思う。
--毎年のコンテストの特徴はどのようなものですか。
モンゴル民族と世界のモンゴル書道家も参加するのが特徴である。モンゴル・カリグラフィーや縦文字を一定の範囲でグローバル化させていると思う。更に、全年齢層や異なる専門分野の人々が参加できる点も非常に魅力的である。
--モンゴル語・縦文字を学び始めたのはいつですか。また、カリグラフィーはどのように学びましたか。
私はブルガン県のフタグ・ウンドル郡で高校を卒業した。6年生の時に初めてモンゴル縦文字を勉強した。とても面白く感じ、直ぐに、全文字を覚えて読みたいと思っていた。カリグラフィーは9年生の時習った。地元で筆や墨などの書道道具があまり手に入らなかったので、それをウランバートル市から取り寄せていた。手に入れた道具は大切に使い、毎日練習することはできなかった。しかし、大学に進学してから、同じ興味を持つ友人たちと一緒に技術を向上させ、楽しく学んでいる。
--カリグラフィーを通じて得られる素晴らしいことは多いと思いますが、最も素晴らしいことは何ですか。
カリグラフィーを始めてから、大きく変わったと感じている。筆と墨を使っていると、本当に落ち着く。以前は思っていることをうまく表現できず、イライラすることもあったが、今では辛いときや気が乗らないときでも、筆を握って書くと落ち着く。更に、創造的な思考や忍耐力など、さまざまなスキルも身につけることができた。一つの作品を作るためには、何日も準備し、多くの考えを巡らせ、いろいろな方法で試行錯誤を繰り返さなければならないので、その過程が非常に学びの多いものであると感じている。
--毎年のコンテストでどれくらいの時間をかけて作品を仕上げていますか
一つの作品を作るために、2、3ヶ月前からアイデアを考え始める。あるいは、半年間考え続けていたアイデアを一週間で仕上げることもある。作品を作る方法について、常に考え続ける。今年の作品もコンテストのガイドラインが発表された後にアイデアを思いつき、2ヶ月間準備をしてから参加した。
--カリグラフィーを始めて教えてくれた先生について聞かせてください。
カリグラフィーは、ブルガン県のフタグ・ウンドル郡の学校でモンゴル語・文学の教師であるD.ムンフチメグ先生に教わった。先生は、正しい座り方、筆の使い方など、自分の知識を惜しみなく教えてくれた。先生のおかげで、しっかりとした基礎を築くことができたと思う。ムンフチメグ先生を見て、自分も先生のような良い教師になりたいと強く思っている。
--モンゴル縦文字を大切にしている人々は、他の人に伝え、影響を与えることが非常に重要であると思います。この点に関して、どのような活動をしていますか。
ありがとうございます。モンゴル国立教育大学では「ティテム」というカリグラフィー・サークルが無料で運営されている。学期毎に新しい受講生を募集し、筆の書き方、竹ペン、折り紙書道などを、自分のレベルに合わせて教えている。半年間授業を行った後、学校で展示会を開くことを目標にしている。今年も新規入会者を含め、約70人の学生がこのサークルに参加している。
--教師の職業を選んだのはなぜですか。
子どものときからクラスメートに自分が知っていることを教えるのが好きで、よくおしゃべる子であった。この性格が影響したと思う。中学に進学してからモンゴル縦文字や書道を学び、教師になりたいという夢が更に強くなったと言える。D.ムンフチメグ先生は「あなたは素晴らしい教師になるでしょう」と言われたことが、私の夢をより鮮明にしたかもしれない。
--2025年から、行政公文書にモンゴル縦文字とキリル文字の併用することになりました。同件についてモンゴル語専攻の学生としてどう考えていますか。
言語は国家の免疫のようなものである。モンゴル縦文字を日常的に使い、更に外国にも広めるべきであると思う。行政公文書が両文字で作成されることに賛成しており、これをきっかけに、より多くの人々がモンゴル縦文字を日常的に使用するようになることを期待している。
--カリグラフィーを学び、競技会に参加し、展示を開き、技術を磨き、協力して取り組む経験が積み重なってきたと思います。仲間や後輩、これから学ぼうとしている人にアドバイスをしていただけますか。
カリグラフィーをする人々をとても誇りに思っている。なぜなら、最初から正しい基礎を学ぶことが非常に重要だからである。紙をどう引くか、そこから始まる。カリグラフィーは忍耐力、根気、責任感、安定感を求める。
更に、カリグラフィーは大変時間と努力を要するので、決して諦めないでいただきたい。モンゴルの免疫の一つであるため、全ての人が是非興味を持って学んでほしいと思う。
--お忙しい中お時間をいただき、ありがとうございました。学業と仕事での更なるご成功をお祈り申し上げます。