モンゴル初の種から育てた桜、開花
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モンゴルでは「日本の桜」に似たような木々が多くあるのを知っていますか。これを「桜」だと間違える人も少なくはない。ところで、「日本の桜」は一つもなく、それはバラ科の植物だという。そこで、清水武則元在モンゴル日本国特命全権大使が2014年に日本大使館の公邸前にまいた桜の種から6年後にやっと美しい花がいっぱい見事に咲き、種から育てることに成功したモンゴル初の「日本の桜」になった。
しかし、この6年の間、桜の木を育てるのは簡単なことではなかった。モンゴルの厳しい冬の中で凍結しそうにもなったこともあると、清水大使の帰国後に世話を続けてきたバトトルガ・ガンバト農牧業経済研究者が語る。彼は冬到来の前に寒さから保護するためOSB合板箱で囲んだり、春になると肥料を与えていたりしたという。
ちなみに、2015年7月、日本桜の会会長の安崎暁氏(元コマツ社長)が日本の桜をモンゴルで根付かせることを願い、わが国を訪れた際に清水大使と面会し、モンゴルで桜の植樹を要請したこともある。そのほか、日本からの桜の苗木や種を持ち込み、植樹した多くの事例があるが、全てが失敗したという。この唯一の桜がぐんぐん成長し、モンゴルと日本両国のもう一つの象徴になれればと、願う。
(約1㍍の桜の木)