匈奴時代の貴族の古墳から発掘された約400点の遺物を展示・公開する 11月30日から来年3月1日まで モンゴル国立博物館
特集匈奴(きょうど)は紀元前4世紀頃から紀元後1世紀にかけてモンゴル高原を中心とした中央ユーラシアに存在した遊牧民族及び、それらが中核になって興した遊牧国家である。匈奴はモンゴル高原で最初に王権を確立した民族で、漢をも凌ぐほどの勢力をもっていたと記述されている。
モンゴルのセレンゲ県にあるノヨン・オール(ノイン・ウラ)山で発掘された匈奴の古墳群は、匈奴研究において重要な位置を占めている。1924年から1925年にかけてソ連(現:ロシア)の考古学者ピョートル・クズミッチ・コズロフ氏の指導下、モンゴル・チベット探検チームはノヨン・オールで匈奴の王侯・貴族の古墳群を発見したことが、20世紀の偉大な考古学的発見の1つとして見なされている。
さらに2006年から2015年までモンゴル科学アカデミー(MAS)の考古学研究所はロシア科学アカデミーのシベリア支部考古学民族学研究所と共同し、考古学の最先端技術の活用によりノヨン・オールで匈奴の王侯・貴族の大形墓 4基、小形墓 4 基と約1300点の遺物を出土した。
発掘品の中に、過去に切れ端しか見つからなかった絹織物の当時のままの姿や、ローマ帝国の銀の装飾品、神話・伝説の生き物の形をした銀の馬具などの貴重な文化材が多数発見された。
出土後の修復·実測し終えた約400点の匈奴時代の遺物を公開する今回の特別展示会は、文化庁の文化芸術振興基金の助成により、モンゴル科学アカデミー考古学研究所と国立博物館が共催する。来年3月1日まで国立博物館で開催される。 入場料:5000トゥグルグ