ボグド・ハーン宮殿博物館にある貴重な展示物
モンゴルについてボグド・ハーン博物館は1893年から1903年まで、第 8代ジェプツンダンバ・ホトグト(略称ボグド・ハーン)8世の冬の宮殿の ため建造された。1961年からは博物館となり、ボグド・ハーンの日用品や、他国から献納された剥製などを中心に展示している。この博物館に保管 されている3つの貴重な展示物を以下に紹介する。
第8代ボグド・ハーンとドンドグドラム女王の玉座
モンゴル最後の君主第 8代ボグド・ハーンとドンドグドラム女王が20世 紀初頭に、座っていたこの2つの玉座はボグド・ ハーン宮殿博物館のボグドハーンの冬宮殿に展示されている。 この玉座の背もたれ部分には仏教のシンボルである九頭竜、馬、人間の 浮彫が彫刻され、座面にはドラゴン、花、果物、永遠の絆の象徴となるハーンボグウィチ、ハタンスイフ模様が浮彫りにさ れた。1924年に、この宮 殿で火災が発生した時、 ボグド・ハーンの政治的物事を行う黄色い国家宮殿に保管されていたこの玉座の一部が燃え、背もたれだけが残った。座面などは後で復元された。
ボグド・ハーンの「ゲル」玩具
1874年にボグド・ハーンはダライラマ12世によってジャブザンダンバ・ボタグド 8世として認定され、5歳の時にラサ市から、当時のモンゴル首都であるイフ・フレーに到着した。その時、ボグド・ハーンはモンゴルの生活ぶり、文化、習慣を知るため、この「ゲル」玩具で遊んでいた。この「ゲル」玩具は、青色絹で縫い合わせた屋根用フェルト、赤い絹の装飾品、ドア、ウルフ、木造床、ハナ(壁)、オニ(屋根 棒)バガナ(柱)、トーノ(天窓)で構成されている。ゲルの家具は、小さな木製のベッド、仏壇、引き出し、アブダル、オル ボグなどである。
ドンドグドラム女王の真珠丸帽子 (トウルツォグ)
ボグド・ハーン宮殿博物館にはドンドグド ラム女王により使われていた帽子、靴、数 珠、アクセサリーなどの貴重な展示物がいくつもある。この1つはドンドグドラム女王の 丸帽子で、ドンドグドラム女王がこの帽子をかぶった写真は1枚残されている。 この帽子は20世紀初頭にボグド・ハーン宮殿の手作職人により製作され、帽子の裏地に赤色絹を、表地に深紅色の絹を使用した。帽子のクラウンは6面で構成され、すべてのレンガを小 さい真珠で飾った。帽子 の天ボタンも珊瑚付き真 珠がいっぱい。マチ部分 の装飾には金、ダイヤモ ンド、エメラルドを使用した。