バットジャルガル氏: 遊牧民の社会保健システムの充実化が重要だ

社会
bolormaa@montsame.gov.mn
2022-06-09 10:47:31

    6月2日に、国連人口基金 (UNFPA)の資金協力によ り実施した「遊牧民の健康と社会保険の現状」調査結果が発表された。同調査は労働社会福祉省は国際労働機関(ILO)、オランダのマーストリヒト大学及び独立研究所の協力により2020 年から2022年に実施した。同調査の目的は遊牧民の健康保険と社会保険に加入する優位性とメリットを知らせることにある。 開会の辞で、タタン・ミ シュラ国連モンゴル駐在コーディネーターは「社会保険に関する情報と基本的な理解が不十分であるため、 定期的に保険料を支払わない遊牧民は保険の対象外と なることが多い。遊牧民 の不十分な収入と遠隔地 の地理的位置もこれに影響する。モンゴル人は伝統 的に、将来の利益よりも現 在及び当面の利益を重視す る傾向にあることも影響する」と指摘した。


     B.バットジャルガル労働 社会福祉省社会保健政策 実施局長は「民主主義国となって30年近く、社会保険検査官がモンゴルの全 21県、330郡で働き、2021 年現在は4万9000人の遊牧 民が社会保険に加入している。これは約30万人いる遊牧民数と比較すると非常に少ない数である」と遊牧民の社会保険加入の不十分さを指摘した。 国家統計委員会(NSO)の調査によると、2020年 には29万8798人の遊牧民の世帯がある。若い遊牧民数は、2010年から2020 年にかけて2万8900人、つまり8.8%減少した。総人 口の19.9%は牧畜民世帯の一員であり、労働力の24.1%は畜産部門に属している。そのため、効果的な老齢年金と利用可能な健康保険制度が遊牧民にとって重要である。社会保険の検査官は遊牧民に十分な情報提供を行う必要があるが、遠隔地域の遊牧民世帯まで情報が届くには交通費など様々な問題があると調査実施者らは言及している。