セルオド選手:最後のマラソンをパリで走りたい
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世界陸上の男子マラソンが、7月17日、米オレゴン州ユージンで行われ、モンゴルから出場したバタオチル・セルオド選手(40歳)が2時間11分39秒で完走し、26位となった。国際オリンピック委員会の「Olympics.com」サイトは40歳を迎えたセルオド選手を特集した。
同サイトへのインタビューで、セルオド選手は東京オリンピックについて「札幌近郊の千歳でトレーニングに行った。でも風邪を引いてしまい、高熱のために体力を完全に失った。東京オリンピックを期待していたが、コースを完走することができなかった。オリンピックから2ヶ月くらいはとても大変だった。体の調子は良くなったが、私は既にチームを去ることを決心し、引退し、アスリート以外の生活を送ることを考えていた。それは精神的に困難な時期だった。その時に、私の妻でコーチのО.オユーントォヤーが『東京オリンピックは既に終わっている。私たちは先に進むべきだ。次のオリンピックとワールドカップ等、自分自身のために新しい目標を設定する必要がある』と私に何回も思い出させ、言ってくれた。その時、また走りたいという気持ちがピークに達し、マラソンに再び挑戦したいと思った。私はマラソンが大好きなので、やるべきだ」とマラソンへの気持ちを語った。
オレゴン州とモンゴルは16時間時差があるが、気候は似ている。セルオド選手は10回目のワールドカップに参加している。彼の自己ベストスコアは2:08:50。来る10月には41歳になる。セルオド選手は「自己ベストを更新するために、オレゴンマラソンに参加した。マラソン選手のピーク年齢は37-45歳であると信じている。」と言及した。ケニアのエリウド・キプチョゲ選手は37歳で東京オリンピックに優勝し、金メダリストとなった。
セルオド選手は、2002年以来、約74回のマラソンに参加している。彼は2024年のパリオリンピックに参加できれば、五輪出場は6回目となる世界初のマラソン選手になる。インタビューの最後で彼は、「選手キャリアの最後のオリンピックに参加したい。2024年のパリオリンピックに走ることを目標にする。引退後はコーチとして第二の人生を始めたい」と述べた。
セルオド選手はモンゴル代表選手として2004年アテネオリンピックにはじめて出場して以来、2008年、2012年、2016年のオリンピックに連続出場した他、アジアマラソン競技選手権の金、銀メダリストで、中国、日本、英国での国際マラソン大会で優勝を果たした。彼は2021年2月に、日本・滋賀県大津市で行われた「びわ湖毎日」マラソン大会に参加し、2時間9分26秒でコース完走し、「東京・2020」五輪大会への出場資格を得ていた。