モンゴルが位置するユーラシア・ プレートは南東に向かって年間28㍉移動
社会
国家統計委員会(NSO)の発表によると、2020年にモンゴルではマグニチュード3.5度以上の地震が56回発生、21年度は255回、22年度は約300回となり急増した。モンゴルにおける地震発生について、科学アカデミー(MAS)天文地球物理学研究所のムンホー・オルジーバト地震研究部長に話を聞いた。
――近年、モンゴルで地震が多発しています。その理由及び関連する研究実績について教えて下さい。
例えば、昨年1月12日に発生したフブスグル県ハンハ郡で起きたマグニチュード6.8度の地震は深さ約13㌔で発生しました。通常、強度の地震発生後には数百回、数千回の余震があります。ハンハ郡では計4万回以上の地震が発生し、その内、マグニチュード3.5度以上の地震が185回発生しました。その揺れは震度が同じであっても振幅、周期及び継続時間などの違いや地盤の状況により被害は異なります。
地震は10㌔以上の深さで発生し、15~16㌔の厚さで地面を破壊するプロセスです。地球は、中心から核、マントル、地殻という層構造になっていると考えられます。地殻と上部マントルの地殻に近いところは硬い板状の岩盤となっており、これをプレートと呼びます。地球の表面は23のプレートに覆われています。モンゴルはユーラシアプレート上にあります。最近設置された多くのGPSステーション(震度観測点)のおかげでモンゴルの領土は年間28㍉の速度で南東に日本に向かって移動していると判断されました。
――地震の発生と活性状況は異なりますか?
地震は主に2つのケースで活性化されます。自然現象としての地震活動は地殻変動や活断層に沿って起きます。二つ目は最近、人間活動によるものも増えてきました。例えば、鉱山や水を多用する地域では地震が多発するケールもあります。
――以前、ウランバートル市中心部の亀裂について報告がありました。これについてさらに研究が行われましたか?
2005年以降、ウランバートル周辺で地震が急激に増加しています。通常、年間平均200回だったのが、現在では約1000回以上発生しています。調査の結果、ウランバートル市周辺に6つの活断層があることがわかりました。活断層とは数千年前にこの地域で非常に強い地震が起きたことを意味します。ウランバートルの西50㌔にフスタイン断層があります。この亀裂は、少なくともマグニチュード7.8度の地震が数千年前に発生したことを表しています。ウランバートル周辺で例えば以下の活断層があります。
1.西にエメールト活断層
2.西のホスタイ山脈を横切る長さ80~90㌔の活断層
3.南にある2つの平行活断層
4.東にガチュールトの北10㌔、グンジーン活断層
2010年から2015年までウランバートルはグンジーン活断層における強い地震の影響を受けていました。ウランバートル市の真ん中を通る第7番目の活断層を日本の科学者チームが特定しました。彼らの解説によると、裂け目は1000年以上前のものです。非常に強い地震の後、地表にひびが入ります。1905年のブルナイ山脈地震では全長370㌔の亀裂が発生しました。
――国内に地震感知ステーションがいくつありますか?
都市周辺の地震動を予測する61のステーションと、地方地域に68のステーションがあります。地震記録装置に関しては、世界で使用されている最高のツールを設置しました。現在、アメリカ、中国、フランス、日本から提供された記録装置を使用しています。
しかし、地震観測点の数という点では、わが国は遅れをとっています。国内の21~22ヶ所にしか設置していません。少なくとも100の観測点を設置する必要があります。
――ありがとうございます。