ザナバザル美術館にある珍しい展示物

特集
gombosuren0625@gmail.com
2021-04-05 09:13:49

 1966年に設立されたザナバザル美術館ではモンゴルの歴史、遊牧民文明などに関する展示物、モンゴル人職人による精巧なもの、仏教美術品など約2万点が収蔵されており、10のホールに全展示物の1割が展示されている。また、モンゴル国の歴史・文化的貴重な展示物として記録された展示200点の約70点はザナバザル美術館に保管されている。今回、同美術館にある珍しい展示物4つを以下紹介する。

 銀製香炉

 この精巧な銀製香炉を19世紀のモンゴルの有名な職人ゴンピル・ユレンテイさん(1872年 ~1952年)が作った。この香炉の三本足、2つの側面、リングにライオンやガルドの形、ゼーバド模様のエンボス加工が施されたのは高度な職人技が活かされた証拠である。

 19世紀初頭にサインノヨンハンアイマグ(現在のフブスグル県ガルト郡)ダライチョインホルホショー(行政単位)では鋼製の彫刻や宗教用具の作りに優れていた。祖先から受け継がれ、研ぎ澄まされてきた職人技を持つ職人が多かった。このうちの1人がユレンテイ職人である。ユレンテイ職人は香炉、バターランプ、仏教ベルなど高度な仏具、仏像を制作した。


 ツァム踊りの靴

 19世紀~20世紀初頭にさかのぼるこの靴はモンゴルの仮面舞踊「ツァム」に使用されていた。武神・ジャムスランのツァム用衣装セットの一部だったこの靴の作り方と形は、モンゴル伝統衣装の1つである「モンゴルブーツ」と似ている。靴本体を赤い絹で作り、靴底と上の部分に黒い綿が縫い付けられている。この靴のつま先をマカラ形の飾り物で、胴を骨製の飾り物で飾った。ツァム踊りでは、怒りを表した神々だけがマカラで飾った靴を着用する。

 マカラとは、インド神話に登場する怪魚とされている。愛神カーマの旗標で、ヴァルナ神の乗り物(ヴァーハナ)とされ、カーマのシンボルで あるマカラは寺院の屋根や門などの 装飾によく用いられている。

サイズ:  39 x 30 x 11.3 cm

素材:絹、綿、ブロケード、 骨、皮


 モンゴル人女性の髪飾り

 ザナバザル美術館でモンゴル人 女性の髪飾りなどの装飾品が保管されている。この装飾品について紹介する。

 モンゴル国民は装飾芸術、アクセサリーには真珠、珊瑚、ラピスラズリなどの宝石を広く使用して、独自の形の民俗文化財を生み出した。モンゴルの職人たちは古代から、高度な職人技を生かし、男性、女性、子ども、若者、高齢者用の装飾品を別々に製造してきた。装飾品を製造する時、モンゴル人の体型、髪型、服、民族などを配慮する。民族の特徴によってモン ゴル人女性の装飾品はわずか異なる。

 モンゴル人女性は結婚式など重要な儀式で髪を角のように大きく左右に張り出し、金、銀製のオロイブチ(頭な上に置く飾り物)を置いてから、帽子を被る。角のように長く伸ばした自分の髪にクリップなどを着用する。


 モンゴル人男性の装飾品

 モンゴル人男性用の装飾品は女性より小さい。金、銀、宝石の装飾品は比較的少なく、主に鋼製装飾品を使用してきた。一方、男性用の装飾品はモンゴル人の象徴と崇拝に関連するさまざまな模様、形を取っていて、職人技もわかる。例えば:ダライチョイホルホショーの鋼彫刻ヘトホタグ( ナイフ)は有名だった。モンゴル人男性はデールを着るのが一般的で、ヘトホタグ(火打ち用の鉄片)、火打ち石、嗅ぎタバコ入れ、パイプを主な装飾品としてベルトにつける。着るのが一般的で、ヘトホタグ(火打ち用の鉄片)、火打ち石、嗅ぎタバコ入れ、パイプを主な装飾品としてベルトにつける。