モンゴルレッドリストに登録された希少動物

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2020-05-13 15:09:07

 1985年12月23日付きのモンゴル人民共和国の決議第340号では、哺乳類23種、鳥類19種、両生類と爬虫類6種、魚類2種、植物86種が含まれる『モンゴル人民共和国のレッドリスト』作成が法制化し、1987に実現された。改訂版は1997年と2013年に出版され、最新版のレッドリストには、110種の動物と192種の植物がリストアップされている。新たに登録された25種には、オオヤマネコ、クロテン、森林クロテン、ヒグマなど6種の哺乳類、白い鶴、カリガネ、ヒゲワシを含む18種の鳥、および爬虫類の1種であるヨーロッパクサリヘビが含まれる。植物192種のうち、95種の陸上植物、5種の地衣類、11種の蘚類、6種の菌類、13種の藻類が記録された。今回、モンゴルのレッドリストにある希少動物の一部を紹介する。

 アイベックス

 アイベックス(野生ヤギ)は、2006年に「希少及び絶滅危惧種」としてモンゴルのレッドリストに掲載された。アイベックスは1~5頭、時には最大10頭で群れになり、寒い冬には一群れのアイベックス頭数は20頭にも増える。2009年に実施されたモンゴル山の有蹄類資源の評価によると、13県86郡に約3万頭のアイベックスが数えられたが、ドルノゴビ県にはアイベックスが120頭しか生息していないと推定された。ヤマート(ヤギがある地)とヤマーンオス(ヤギ水)などの場所名は、モンゴル全国でアイベックスがいたという証拠になり残っている。

  マナヅル

 世界的に約5000羽が残っているマナジルがモンゴルには約400ペアがいると推定されている。したがって、マナヅルは、国際自然保護連合によってレッドリストに危急種として記載された。我々が見るマナヅルは、春と秋の渡りの季節に、2000~2500㌔

を飛ぶ。その遠い場所で飛ぶ間に、彼らは定期的に特定の場所に着陸し、力を取り戻す。野生生物保護センターのディレクターで鳥類学者のB.ニャムバヤル博士は、ここから飛ぶマナヅルは中国東部、朝鮮半島、日本南部で冬を過ごすと語った。

 ユキヒョウ

 ユキヒョウのことを生物学者らが「生態学の指示器」とも読んでいる。これはどういう意味なのか?当地域にユキヒョウを生息していることは、自然の保たれているということなのだ。ユキヒョウの生息地は、主な獲物であるアイベックスとアルガリ(野生羊)の生息地と重複する。ユキヒョウ1頭が少なくとも月に2回獲物を狩る。年間平均16頭のアイベックスやアルガリが狩れる必要だという調査がある。ユキヒョウの体の斑紋は手の平の紋のように二度と重ならないという。美しい体とほぼ同じ長さの尾が1㍍ほどある。尾は岩の中でのバランスを保ち、獲物を鞭打つ。そのほか、最も重要な役割は体を保護し、体温を保つ。この美しい動物は世界に約3500頭しか残っていなく、モンゴルには約1000頭がいると推定されている。

 野生フタコブラクダ

 ミジドドルジ博士の本によると、2012年現在、ゴビ自然保護区A地域の2万4000平方㌔には最大1100頭、最低50 0頭のフタコブラクダ生息しているという。野生フタコブラクダは、細長いスリットのような鼻孔、長く厚いまつげ、ゴビ砂漠の砂嵐から保護のための毛のある耳を持っている。また大きく離れた2本の大きなつま先を持ち、それらが荒くて熱い石や砂浜の地形を歩く頑丈な分割されていない足裏を持っている。

 マザーライ(ゴビ熊)

 ソビエト連邦の研究者によって1943年に始めて見なされてたモンゴルのマザーライ(ゴビ熊)は現在、23頭しかいない。レッドリストに掲載されているマザーライの数は、1960年代に15~20頭、1970年代に20頭以上、1980年上旬に2 5 ~ 3 0 頭、1 9 8 0 年下旬に5 0 ~ 6 0頭、1990年代の初め頃30頭以上だった。2011年現在、少なくとも22~31頭のマザーライがいると推定された。モンゴルは1953年にゴビ熊のマザーライの狩猟を禁止し、1975年にその生息地を保護区に指定し、1987年にレッドリストに登録した。しかし、それ以来、それほど頭数が増えない理由は何か? 今日、モンゴル・アルタイの前側ゴビ20~30頭しかマザーライを保護し、頭数を増やすことは可能

なのか? それとも、既に絶滅したシャランガド・オオカミとアナグマ属のようにモンゴルから消えていくのか?

 マザーライは夏季プラス46度まで上がり、冬季マイナス34度まで下がる厳しい気候のゴビ地帯の幅広い空間に生息するということで、他の熊類から異なる。マザーライの肉球はヒグマより比較的小さく、爪が長くて真っすぐ。成獣の雄マザーライの後ろパッド(肉球)の長さ23.5センチ。後ろ肉球の引っ込み、そこには数本の毛が生えている。マザーライは多種多様食の動物。食事の大半は植物である。 夏にバッタなどの虫を食べ、腐肉を食べる場合もある。という訳で、マザーライは自然消毒の役割も果たす。